01 西欧思想を伝える周囲
02 科学本の生命
03 岩波文庫の宇宙(1)
04 時代と歴史のポピュラー小説
05 ペーパーバックライター
06

“史”のつく本

07 評伝する作家
08 千夜千冊(1)
09 千夜千冊(2)
10 忘れないための歴史
11 日本を旅する人
 
ようこそ、絶品堂書店へ。
絶品堂の棚をにぎわすのは、松岡正剛が注文したものの、「絶版本」、「品切本」としてすでに手に入らないことが分かった本の数々。
そんな"絶品な"本の中から、最近入荷した本を少しずつ紹介します。
【第7回】
評伝する作家
書 名 シリーズ 著 者 訳者 出版者 刊行年 事由
ヨハネス・ケプラー −近代宇宙観の夜明け アーサー・ケストラー 小尾 信弥木村  博 河出書房新社 1977
エラスムス −宗教改革の時代 筑摩叢書 ヨハン・ホイジンガ 宮崎 信彦 筑摩書房  1985
吉田松陰 岩波文庫 徳富 蘇峰 岩波書店 1981
山岡鉄舟 1〜3 文春文庫 南條 範夫 文芸春秋 1982
ハリス伝 −日本の扉を開いた男 東洋文庫61 カール・クロウ 田坂 長次郎 平凡社 1966
評伝 内村鑑三 小原  信 中央公論社 1976
ルートヴィヒ2世−白鳥王の夢と真実 須永 朝彦 新書館 1995
ハインリッヒ・ハイネ 岩波新書 井上 正蔵 岩波書店 1952
梶井基次郎 筑摩叢書 中谷 孝雄

筑摩書房 1969
三木清 筑摩叢書 唐木 順三 筑摩書房 1966
 
  『ホロン革命』『機械の中の幽霊』でニューサイエンスを禁欲的に進めたアーサー・ケストラー、『中世の秋』のみならず『ホモ・ルーデンス』で思想を立ち上げたホイジンガ、「国民新聞」を発刊し、ジャーナリスト、評論家として近代日本の激動の体現者でもあった徳富蘇峰、『山岡鉄舟』の南條範夫は時代小説の人気作家、カール・クロウは軽妙洒脱な筆致をもつ中国研究者、禁断の少年愛世界を比類なき語りで文学する第一人者が須永朝彦、真摯な反近代の思想から中世日本文学へとむかった唐木順三。

 主要な著作をもち、作家像が確立している著者たちが、一人の人物を取り上げて語った評伝本。そのなかで、最近松岡正剛が求めて買えなかった"絶品本"を少し紹介した。標題に取り上げられた人物と、それを書いた著者はどうつながっているのか。そこにまた、作家たる著者の豊かさが見えてくる。

 ウェブでは、本そのもののテキストは多くないものの、書評、反響、参考書籍など本を語る言葉は無数に存在する。本の周辺は以前より豊かになっているのだ。そしてハイパーテキストは人の感覚を超えて、本と本を広く深くつなぐことができる。本が刊行され、絶版、品切れになろうとも、本と本の間に張りめぐらされたこのハイパーリアルな網の目が、いつか本をすくい上げる役目をするかもしれない。(N)



 

  松岡正剛の千夜千冊言葉の景色絶品堂書録
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