01 西欧思想を伝える周囲
02 科学本の生命
03 岩波文庫の宇宙(1)
04 時代と歴史のポピュラー小説
05 ペーパーバックライター
06

“史”のつく本

07 評伝する作家
08 千夜千冊(1)
09 千夜千冊(2)
10 忘れないための歴史
11 日本を旅する人
 
ようこそ、絶品堂書店へ。
絶品堂の棚をにぎわすのは、松岡正剛が注文したものの、「絶版本」、「品切本」としてすでに手に入らないことが分かった本の数々。
そんな"絶品な"本の中から、最近入荷した本を少しずつ紹介します。
【第5回】
ペーパーバックライター
書 名 シリーズ 著 者 訳者 出版者 刊行年 事由
ナウのしくみ1 文春文庫 泉 麻人 文藝春秋 1993
ナウのしくみ2 文春文庫 泉 麻人 文藝春秋  1994
ロックの意味   シェイファー・J.ウィリアム 三井 徹 草思社 1988
少女民俗学   大塚 英志 光文社 1989
音楽誌が書かない「Jポップ」批評  (3) 宝島社文庫 別冊宝島編集部編 宝島社 2000
神戸事件でわかったニッポン 〜酒鬼薔薇をめぐる24人の大激論!!〜 双葉社MOOK 好奇心ブック   双葉社 1997
「レズビアン」である、ということ   掛札 悠子 河出書房新社 1992
活字三昧 角川文庫 目黒 考二 角川書店 1996
活字学級 角川文庫 目黒 考二

角川書店 1997
新耳袋 現代百物語6夜   木原 浩勝 メディアファクトリー 2001
 

 大塚英志が初めて本格的な総論に挑んだとされる『少女民俗学』、明治期に生まれた「少女」観が、いま社会全体に蠢動しているという解読は、すでに十分魅惑的だ。1980年代からの「週刊文春」の連載を、1年ごと単行本にまとめた泉麻人の『ナウのしくみ』は、たちまち記憶から薄れる小さな事件こそが、"いま"を謳歌していたことも伝えて可笑しい。10冊にわたってまとめられたが、現在すべて入手不可能になっているのはかえって潔い。

 そのほか、批評に徹しながらもイメージ豊かな文体で、ロックがもつ力と影響を探るシェイファー・ウィリアムの『ロックの意味』なども印象深い。重厚な装いをもたなくとも、時代に懸けたペーパーバックライターの矜持は、光跡を意外に強く読者の網膜に焼き付けているのだ。そういえば、山東京伝らを生んだ江戸時代の「黄表紙」も、子供向けの草双紙から出来た、大人のペーパーバックでしたね。(N)

 



 

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