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2009年11月11日

Publishing 『日本流』文庫本で再登場

2000年に朝日新聞社から出版され、今日の松岡正剛のコンセプト「日本という方法」の源流ともなっている『日本流』が、装いも新たに「ちくま学芸文庫」として再登場。もちろん文庫化にあたり、大幅な加筆がほどこされています。

じつは本書は、日本論を「です・ます調」で綴るという、その後の著作でも用いられている松岡の文体が確立した記念碑的な一冊であり、私塾を設けて「日本という方法」を語り続けるという松岡のライフワークが誕生するきっかけとなった一冊でもあります。

仮名文字、着物、造作や工芸、庭園、絵画、祭礼、芸能といった伝統的な意匠や仕組はもちろんのこと、近代日本が再編集した日本のおもかげや、現代日本を代表するクリエイターに継承されているスサビの動向が、大胆で緻密な取り合わせによって次々と紹介されていく構成そのものが、まさに「セイゴオ日本流」を体現しています。

そんな松岡の編集思想の真髄を、まさに同時代的な証人として、同士として読み解いている田中優子さんの解説が絶品。カバーデザインは菊地信義さん。


本書は、松岡正剛の他の著書と、ある場所で交叉している。それは「こわれやすさ」「寂しさ」「哀しさ」「切なさ」という場所である。松岡の存在と言葉は、そこで必ず立ち止まる。通過しない。無視しない。そこにとどまり、そこで書く。それは一九六〇年代くらいに生まれた日本人の、心の奥深くひそんでいる寂しさ、切なさである。思うとおりにならない人生を受け入れ、味わい尽くすことから生まれる、究極の詩心である。しかしもはや、そこにとどまって言葉をつづる人は、わずかだ。
―田中優子さんの解説より

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投稿者 staff : 2009年11月11日 16:03