セイゴオちゃんねる

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2009年7月31日

Publishing 平城遷都1300年経済フォーラム記事

7月8日に丸の内マイプラザホールで開催された「平城遷都1300年経済フォーラム」の採録記事が、7月31日(金)の日経新聞朝刊(22面)に掲載されました。このフォーラムは、小林陽太郎氏(富士ゼロックス元取締役会長)、中谷巌氏(多摩大学ルネッサンスセンター長)、武藤敏郎氏(大和総研理事長)をゲストにセイゴオがホストをつとめたものです。

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投稿者 staff : 15:41

2009年7月24日

News 奈良県「ふるさとカフェ」に出演

7月21日(火)、セイゴオが奈良県の「ふるさとカフェ」にゲスト出演。ホストの荒井正吾知事、もう一人のゲストである森精機製作所の森雅彦社長とともに、平城遷都1300年を迎える奈良への思いや期待を語り合いました。

この模様は、8月1日(土)昼12:00から、奈良テレビで放映される予定です。

「ふるさとカフェ」は、荒井正吾知事が奈良県ゆかりのゲストを迎えて行うシリーズの公開対談です。セイゴオが招かれたのはその第1回目で、同じくゲスト出演した森雅彦氏が代表をつとめる森精機製作所が所有するプライベートホテル「登大路ホテル」で開催されました。観客は、多数の応募者のなかから抽選によって参加券を手にした30人の県民の皆さん。

セイゴオは、日本で初めての首都(キャピタル)である奈良から、昨今の行き過ぎた資本主義(キャピタリズム)を乗り越える「方法」を、遷都1300年を機に発信していくことの意義を説きました。


■「ふるさとカフェ」放映予定

 奈良テレビ放送 8月1日(土) 昼12:00~13:00
 KCN(近鉄ケーブルネットワーク) 9月中の毎日曜日午前10:00~11:00

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2009年7月16日

Report 平城遷都1300年記念経済フォーラム

2010年からの経済社会~日本と東アジアの未来を考える

 7月8日、奈良県と日本経済新聞社主催による「平城遷都1300年経済フォーラム」が開催され、セイゴオがモデレーターをつとめました。ゲストは小林陽太郎氏(富士ゼロックス元取締役会長)、中谷巌氏(多摩大学ルネッサンスセンター長)、武藤敏郎氏(大和総研理事長)。会場は丸の内マイプラザホール。

  なお、このフォーラムの詳細な採録は、7月下旬の日経新聞に掲載される予定です。

 開演に際し、まず5月末に出版された『NARASIA(ならじあ)-日本と東アジアの潮流』のダブルページを高速に紹介する2分間の映像が流れ、続いて主催者である奈良県知事・荒井正吾氏と、日経新聞専務・長田公平氏がご挨拶。
 ここでセイゴオが登壇し、まずはフォーラムの狙いや日本と東アジアをめぐる諸問題やヴィジョンの入口を示す10分間のトークを行い、小林陽太郎氏の基調講演「東アジアの未来と日本の役割」につなぎました。

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冒頭でセイゴオは、複雑なシステムとしての東アジアを扱っていくための「方法」が求められていることを問題提起。

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小林陽太郎氏は、明治以来の日本が、「日本にふさわしいガバナンスモデル」を検討してこなかったことを指摘、日本の再アジア化の必要性とともに、「サーバント・リーダーシップ」(奉仕するリーダーシップ)の可能性を説きました。

 休憩後はセイゴオの進行により、中谷氏・武藤氏・小林氏の3人によるパネル討論「グローバル経済の課題とアジアの未来」。まずは中谷氏・武藤氏それぞれから、小林氏の講演を受けての感想とともに、グローバル資本主義の波と日本および東アジアの現在をめぐる視座が語られ、そこから日米同盟の将来をふまえた東アジア的アライアンスの可能性や、東アジアの市場統合あるいは通貨統合の是非など、突っ込んだ話題が次々と展開しました。

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中谷巌氏は、制御する主体のないグローバル資本主義を乗り越えるためには、東洋的な「欲望抑制」の価値観が必要であり、日本と東アジアの将来のためには、日本人の歴史的自己認識を深めることが重要と語りました。

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武藤敏郎氏は、欧米市場に依存した東アジア経済は、今後アジア内需型に切り替えるべきと説き、また多様で複雑なアジアでは、ユーロのような統一通貨は難しいが、アジア共通の「目盛」をもつ必要性があると語りました。


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当意即妙の質問を繰り出しながら、専門性に裏打ちされたゲストの見方や考え方を自在に引き出しては、次第に日本型あるいは東洋型の社会経済文化モデルのあり方を示していくセイゴオ。そのために必要な「東洋的英知」について、最後にゲストの皆さんに質問を投げかけました。

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小林氏は、東洋的英知とは、「節度」のことであると即答。

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武藤氏は、「東洋の知は交流の方法にある」、中谷氏はジャック・アタリの言葉を引きながら、「利他の哲学、足るを知る哲学が東洋の英知である」と答えました。


フォーラムのラストは、セイゴオが約10分間のソロトークで締めくくり。無文字社会だった日本が中国から漢字を取り入れながら、独自の仮名文字を生み出し、和漢というデュアル・スタンダードを成立した歴史に触れながら、日本型のガバナンスモデルとして、内村鑑三が示唆した「ボーダーランド・ステイト(境界国家)」の可能性を示唆しました。

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Diary 白川静さんの漢字世界観を語る

 6月19日(金)、ワタリウム美術館主催のシリーズ講演会で、セイゴオが「時空の方舟―白川静の漢字世界観」と題して2時間のソロトークを行った。当初は70~80人を対象にワタリウム美術館内で開催される予定だったが、申込者が殺到したため急きょ会場が日本青年館に変更され、150人以上が来場する盛況となった。

 そんな盛り上がりをよそに、セイゴオはこの日の講演準備にたいそう苦心していた。昨年出版した平凡社新書『白川静』が話題となり、以来「白川漢字学」をテーマとする講演依頼が引きも切らないのだが、なかなか実現させることができなかった。それは、セイゴオの過密スケジュールばかりが理由ではなかったようだ。
 講演の冒頭で、セイゴオはまずその心境をこのように打ち明けた。

 「白川さんの漢字世界観について語ることは難しい。本来、白川さんが語るべきことを、余人がどう語るべきなのか」。

 学界から異端扱いされていた白川静さんにいちはやく注目したのは、ナム・ジュン・パイクらのアーティストだった。セイゴオもその潮流のなかで白川さんという存在に触れ、リスペクトし続けてきた。白川さんの業績を「東洋の学」としてトータルな視点で捉えつつ、それをメディア社会の中で語り継ぐためには、「白川さんへの触れ方」をこそ「方法」として提示しなければならない。それができなければ、白川さんを語るわけにはいかない。
 
 こうして、今日の講演が、150人の聴衆を前に披露する「白川語り」の初実験であることを予告するかのような異例の導入となった。

 「白川さんにどう触れるか」。そのために用意したものは、セイゴオが『白川静』を上梓するきっかけとなったNHK「人間講座」の番組映像と、90歳を超えてなお明晰なアーティキュレーションで漢字世界を語る白川さんの「文字講話」の映像である。
 1920年代に殷墟から発掘された大量の甲骨文字を、カリカリと薄紙にトレースし続けることによって、文字の一点一角にひそむアニマを身体化し続ける白川さんの姿。そうして漢字の呪能性・巫祝性から中国古代の世界観を読み解き、2000年以上にわたり漢字解読のバイブルとされてきた『説文解字』の解釈を大きく覆すにいたったラディカルな方法の精神。学界からの非難や攻撃にも屈しなかった弧絶の闘い。
 セイゴオは、白川さんの生い立ちとともに、「絶対王」や「王殺し」などの漢字世界観のエッセンスを板書で解説しながら、随所で白川さんの姿をスクリーンに蘇らせていく。

 白板ならぬ大きな白紙に太々としたマジックペンで、甲骨文字のもつ霊的な気配を微妙に書き分けながら、「文」から「産」「彦」へ、「言」から「語」へ、「音」から「闇」へと、それぞれの文字に託された呪術行為とその世界観の広がりを、割れ鐘のような大音声で淀みなく語り続ける白川さん。
 神と人とをつなぐメディウムとしての漢字、その関係性を体現するかのような異形の語り部である白川さん、そんな白川さんの姿を再現しながら「解き部」に徹するセイゴオが、まさに混然となりながら、120分の時間枠を疾駆していった。

 白川さんがめざしていたものは、たんに漢字の解読ということではなかった。20代に『詩経』と『万葉集』を同時に読むという決意をしたときから、すでに日本も中国も失っている「東洋精神」の解読という望憶の志を立てていた。『孔子論』に展開した「狂」の精神、そして『初期万葉論』で解読した「興」という方法は、まさに白川さんの到達した「東洋精神」の象徴でもある。
 セイゴオはそのように締めくくった上で、最後に、十数年をかけてたった一人で『字統』『字訓』『字通』の大書を書き上げた白川さんのこんな語りをスクリーンに焼きつけた。

 「志あるを要す。恒あるを要す。識あるを要す。これがあれば、山が動くんです。」
 
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投稿者 staff : 14:44