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2007年07月20日

Report 「門」を感じる感門之盟 

岩にせかるる滝川のわれても末にあはむとぞ

 7月13日、港区芝にある建築会館ホールで、ISIS編集学校第17回「感門之盟」が開催されました。台風4号が接近していた影響で関西から種子島にいたる一部の地域の参加者が急に来られなくなったほかは、遠くはベルギー、カルフォルニアからもかけつけ、応用コース“破”(15期)と専門コース“離”(3季)の師範・師範代・学衆あわせて約130人が集合。受付をすませてイシス学林局発行「感門通信」を手にした同志たちはそのまま会場へ。十数週間にわたってインターネットで編集稽古・編集指南に明け暮れていたとあって、リアルな場で校長を囲み、恩師や愛弟子と「卒業」を祝う喜びはひとしおのようでした。

 ハレのステージは、水紋をあしらった「感門之盟」というスクリーン文字を中央に、上手(かみて)に「突破」、下手(しもて)に「離 退院式」というセイゴオの大きな書が彩りました。「感門之盟」の編集エンジンを担う司会進行は、大川雅生頭取と小清水美恵師範。5代目の女性司会となる小清水師範は、普段は人気オーガニックレストランの経営者です。女将風の着物姿で「以前から校長の賄いに雇ってほしいとお願いしているのですがなかなか願いがかなわなかったので、このような場でお役に立てて嬉しいです」。この日は日頃の手腕を発揮して絶妙な“包丁捌き”を披露。「みなさん、火であぶられる覚悟でご参加ください」という大川頭取との息もぴったり。

 はじめに校長の挨拶。「今日は、同門に入り、難問にあたった諸君が、感門する日です」と話し、百人一首から一句を引用。「瀬を早み岩にせかるる滝川のわれても末にあはむとぞ思ふ」。生まれ落ちた一滴の水が集まり、とうとうと流れて別れてまた集う歌です。“早瀬”に立ち向うこと、渡りきれない瀬に挑むこと、“瀬”に対する姿勢が大切だとセイゴオは粛々と語りました。

 15“破”の授与式では、まず木村久美子学匠から、今期の“破”が過去最多の学衆数だったことが紹介され、続いて4ヶ月にわたる編集指南の奮闘の余韻を表情に湛えた5人の師範と11人の師範代を称えました。スタートは「望気雲流教室」「レキオちゃんぷる教室」「まちかどラーセン教室」担当の、赤いポケットチーフを胸にしたお洒落な田中俊明師範のチーム。師範代には師範から渾身のメッセージが書かれた感門表が贈られ、校長からはメッセージ入りの先達文庫(せんだつぶんこ)が2冊づつ手渡されます。さらに、師範には一人一人のイメージに合わせて書き下ろしたセイゴオの書画色紙が贈呈されました。ラストは「酔道恋道教室」「シンドロ六甲教室」担当の、赤いバンダナでキリリと決めた海賊ルックの林十全師範のチームでした。

 休憩時間のおやつは「シウマイと大福」。この不思議な組み合わせは15“破”の校長校話がヒントです、と司会の大川頭取が種を明かし、つづいて小清水師範がその校長の言葉を噛み砕いて説明。「シウマイはシウマイ、大福は大福であるように、シウマイの皮がよくできているからといって、そのシウマイの皮の中に何でも入れようとしてはいけない。中身に“型”があるのであって、形のほうに“型”があるんじゃない。別のものを入れたいならば、皮ごと変えましょう」。そして、休憩時間のもう一つの楽しみは赤坂ZEREの蔵書を100円からオークションする「落册市」。今回はすべての本にセイゴオのサインやイラストが入っていたこともあり、100冊すべてが落札されました。

 そのあとはいよいよ第3季[離]校長直伝プログラム「世界読書奥儀伝」の退院式。ここで、離学衆の女性たち8人が舞踏会のようなあでやかなドレス姿で入場し、会場が騒然となり大拍手が沸きました。

 [離]校長直伝プログラムは年1回、30人限定で、セイゴオがこの講座のために書き下ろしたテキスト「文巻(ぶんかん)」をマスターする特別講座です。受講期間中は徹夜続きという伝説が広まっているほど大量の課題が毎日配信される厳しいものですが、今季は32人が受講し、そのうち「万酔院」15人と「放恋院」14人の計29人がみごとに“退院”を果たしました。ちなみに「“退院”とは「教室」にあたる「院」を無事に卒業することを意味します。
 8人の女性たちの堂々たるドレス姿は、何度も迷い何度も立ち止まりながらも、文巻を道しるべにとにかく前へ突き進んできたことへの確固たる自信と、「退院」に到達した喜びがどれだけ大きなものだったかを物語っていたようです。

 壇上では、離学衆一人一人の名前が呼ばれ、校長から退院証が手渡されます。また、会場が息を呑んで静まり返った中、関係と関係をつなぐような編集的活躍の著しかった者に贈られる「別当賞」(3人)と「総匠賞」(1人)が発表され、さらにセイゴオ直伝の「世界読書奥儀」を確実に修得したことを認定する「典離」(5人)が、太田香保総匠から発表されました。「典離」は、ISIS編集学校の最高の栄誉です。選ばれた離学衆には「典離額」とよばれるセイゴオ直筆の黒板画が贈られました。

 こうして約7時間に及んだ感門之盟は、再び校長講話によって締めくくられました。「いまの時代は“賞味期限”を問う時代。そんなたった一つの基準に社会が縛られている。ただ、人の想像力や創造力には賞味期限もなければ使う時期も決まっていない。いつでも“時分の花”がありうる。自分で賞味期限をつくりなさい。アソシエーションを駆使して好きな目標を掲げなさい。「守」で型を学び、「破」で型を使い、「離」で世界と対応する編集学校は、仕切りを自由に設定できる場所です」。
 校長はさらに編集学校の可能性を語り続けます。「『虎の巻』の第7章・男と女の資本主義の核となる“レベッカの資本主義”。司会の小清水さんも読んだときに打ち震えたそうですが、“レベッカの資本主義”を一言で言えば、営利の起源、資産の起源とは何かという問いです。キリスト教のはじまりから今までつづく資本主義の根本的な仕組みとは、相手の何かを暴いて人を押しのけて社会にのし上がっていくというもの。じつは、編集学校は、レベッカの資本主義を無視することなく全資本主義を相手どるくらいの知の相転移をおこせるかもしれない学校です」。

 参加者全員の胸に、境界線をつくり、早瀬を渡り、どんな臨海値も超えていこうという校長のメッセージが届いたところで閉会。そのあと、セイゴオも感門の余韻をいつまでも楽しみたかったのか、中華「周の家」での熱気むんむんの懇親会、さらに西麻布でのカリビアンな二次会にも顔を出し、とうとう明け方まで、師範や師範代や離学衆たちと語り明かしたようです。

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総合司会の大川頭取の今回のパートナーは小清水師範
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このあと二回の衣装替えをした校長
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林十全師範からシンドロ六甲教室の赤松師範代へ感門票が贈られる
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ポケモンカードを世に出した赤羽師範への色紙は「尾」
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落冊市は100円からオークションできます
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第3季「離」を率いた相京・倉田・太田別当ほか指導人10名が勢ぞろい
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典離額を手にしたベルギー在住のダンサー日玉さん
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真紅のドレスで典離額を受け取る大音さん
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会場を沸かせた華やかな「離」の貴婦人たち
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編集学校には、「番匠」という新たなロールも誕生
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多種多彩の花をさかせてハイ、チーズ!

撮影 川本聖哉

投稿者 staff : 2007年07月20日 23:59

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