セイゴオちゃんねる

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2006年6月29日

News 松岡正剛・千夜千冊展ちょっと見るだけ

100枚の試作から一字書の特別頒布も

すでに当サイトでお知らせしましたように(6月9日記事)、7月7日から、九段千鳥ヶ淵のNIKIギャラリー「册」で「松岡正剛・千夜千冊展――只今、本族出張中」が開催されます。「千夜千冊」にちなんだセイゴオの手すさびとともに、新旧の手仕事も出品します。その一部を、「セイゴオちゃんねる」ならでは企画、ちょっと見るだけ事前公開。

◎「千夜千冊」にちなんだ迫真の手わざ!
真っ赤に書き込みされた全集の校正ゲラやマーキング入りの本など、「千夜千冊」と苦闘する日々を忍ばせる資料から、本のタイトルなどを独自の書画にした作品まで、セイゴオの「千夜千冊」数寄三昧をご覧いただけます。

◎「千夜千冊」全集の見本も展示予定!
求龍堂から全集の全巻見本が届けられ、先行披露される予定です。また福原義春さんの装幀メモ、十文字美信さんの口絵写真「本の貌(かお)」も出品されます。

◎緻密な図解の数々を本邦初公開!
 『情報の歴史』(NTT出版)のための手書きダイヤグラム、イベント段取り図解や、「重力・電子」図解、「日本神話構造」図解など、松岡事務所秘蔵の貴重なエディトリアルワークを初公開します。ぜひセイゴオの驚くべきドローイング力をとくとご覧ください。

◎「千夜千冊控帖」の複製版を販売!
蛇腹状の冊子に編集的世界観のコンセプトマップを手書きした「千夜千冊控帖」(手書き図解帖)は必見。しかも「册」ではこの複製版を制作、会場で販売する予定です。

◎数寄の一字書・千夜千冊書も特別頒布!
「花」「雪」「黒」など数寄感覚を象徴する一字書や、「千夜千冊」のタイトル書などを特別頒布します。とくに「花」については本人も、「中川幸夫さんに贈れるかな」と納得しておりました。点数に限りがありますので、手に入れたい方はお早目の御来場を!

   
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左:手書きの「千夜千冊控帖」
右:黒板図解「イメージとマネージ」

   
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左:セイゴオ納得の一字書「花」
右:「赤」をはらんだ一字書「黒」


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2006年6月28日

Key Word 自動販売機は乾電池の夢を見ているか

……何であれ、忽然と出現する「電界的消息」の隙間から話は急転直下するものです。これはヴィリエ・ド・リラダンがメンロパークの魔術師に、宮澤賢治が電線のうなり音楽に、マックス・エルンストが巨大コイルに心を奪われてこのかた、CRTのピクセルの点滅に心を奪われる少年の今日にいたるまで、ずっと変わらぬ急転直下というもの、それがましてポール・ディラックの電子方程式やリチャード・ファインマンの電磁気学の隙間ならなおさらです。しかし、その急転直下が近所の風呂屋の帰りでもおこるとなると、ちょっと隅におけなくなってくる。まずは、そのアンチ・ディック風の話から聞いてください。……

 これは、松岡正剛が1988年にイナックス・ブックレット「自動販売機」特集に寄せた「たった一人ぶんの消費機械あるいは自動販売機は乾電池の夢を見ているか」という長いタイトルのエッセイの書き出しである。セイゴオには愛着のあるエッセイらしく、1998年に芦ノ湖畔で第1回未詳倶楽部を開催したときは、コピーを全員に配布し、思い入れたっぷりに朗読をし始めたものだ。

……1970年代が半ばにさしかかっていた冬の時代、当時、私は抜弁天と番衆町とのあいだの富久町の小さなアパートにいたのですが、そのアパートから下駄でブラブラ歩いても5分もかからない風呂屋にしょっちゅう通っていた。アパートに風呂がなかったわけではなく、そこがたいてい3匹の猫たちに占領されていたからでもなく、また滝田ゆうや西岸良平のレトロ趣味にかかわるわけでもなく、ともかく銭湯が好きだったのです。……

 セイゴオが富久町の横田アパートに住んでいたのは、20代最後の数年から30代の始めにかけてのこと、永井荷風の断腸亭跡があった余丁町まで下駄でそぞろ歩くこともあった。同じく下駄履きの沢木耕太郎と顔を会わせることもあったらしい。

   
A ヨコタアパート.jpg


……ある晩、それも夜中の12時近くだったのですが、体を充分に温め、半分消えた洗い場の蛍光灯をあとに、いつも定番になっていた45番の箱から鼻緒のゆるんだ下駄を取り出し、藍地に紅で「ゆ」と染め抜いた暖簾を払ってひょいと表に出たとたん、それ、そこに、乾電池の自動販売機が立っていたことに気がついたのでした。

 いや、風呂屋に入るときはまったく気がつかなかった。なにしろその町内といったら、夕闇が迫っても灯りがついているのは風呂屋とその向かい側の電気屋だけという界隈、その電気屋も8時には灰色のシャッターをピシャリと降ろしてしまいます。……

 当時の思い出や解説を加えながら朗読するセイゴオと、その声に全身を傾けて聞き入る未詳会員たち。ところが、このエッセイはここから、セイゴオのけったいな行動を記していた。

……だいたい灰色のシャッターにしてからが冬の風しか知らない音をもっている。そのシャッターの前に、かつて見たことがない販売機が凍て付くように待機していたのだから、これは私の風変わりな経歴からしてもたまらない邂逅です。ふらふらと2、3歩前に出て、しかし決してそれ以上は近づかずに、その異様な主張力に見とれていました。……

 異様なのはセイゴオの行動ばかりではない。販売機を眺める眼も、その記述ぶりも、あきれるほどのマシンフェチぶりである。朗読を聴く未詳倶楽部の面々は、堪えきれずにくすくす笑いを漏らし始めた。

   
B 弁天湯 のコピー.jpg


……ボディのデザインや色はあっさりしています。N乾電池としるしたロゴタイプもことのほか小さく、格別の趣向はないショウウインドウもまたしごくシンプル、清涼飲料のための販売機に見られる大口思考の押し付けがましさはなく、せいぜい天地20センチほどの横に長いウィンドウなのです。そのウィンドウにチ・チ・チ・チと単一の乾電池が整然と並んでいるだけ、ただそれだけなのに、こちらはなんとも息をはずませホッホッと興奮していたというのだから、これはむろん私の方が異常です。……

 ひそひそと笑う声が次第に痙攣したようなうめき声に変わっていった。朗読するセイゴオもつられて笑い始める。エッセイはなおもしつこく、乾電池販売機の楚々としたたたずまいとその相貌を賛美し続ける。笑いの感染が会場のすみずみにまでいきわたると、もう止まらない。読み手も聞き手も身をよじり、椅子から転げ落ち、しまいには涙を流して洟をかみ、しばし中断してはまた読み始めるというとんでもない朗読パフォーマンスとなってしまったのである。

……そのときの感慨を一言であらわすのは容易ではないのですが、とりあえず簡潔してしまえば、「そうか、乾電池よ、おまえもついに自動販売機にまで到達したか、そうかそうか」という喝采です(わっはっは)。それから3日ぐらいたってからでしょうか、いまならまだ風呂屋に間に合いそうだという夜陰、私は乾電池自動販売機に初めてコインを入れてみました。チャリン、ウィーン、ドコン。たしかに単一の乾電池が一個落ちてきた(うっうっう)。
 その瞬間です、どうもこれは「乾電池が自動販売機に進化したのだ」と、そう直感的におもってしまったのです。乾電池は自動販売機になることを狙っていたのです。そして、いま、乾電池は自動販売機の中に入り、おそらくこれはまだ進化の途中のことで、このあと、いよいよ乾電池が自動販売機になっていくプロセスがはじまるのだ、そう直観したわけでした。妄想はみるみるまに膨れ上がっていきました(ぐっぐっ)。……

 エッセイはそのあと、自動機械やオートマチスムの歴史にちょっとは触れたりはするものの、セイゴオの販売機愛がなおも過剰に綴られていた。じつはセイゴオにはもう一本、乾電池販売機について記したエッセイがある。1976年に『日本美術』に寄稿した「乾電池とボールペン」である。こちらは冨久町時代からさほど時を措かず記されたものであり、おそらくはイナックス・ブックレットのエッセイの母体となったものだろう。すでに乾電池販売機への偏愛が硬質な文体で告白されている。書き出しはこうである。

……新宿抜弁天の風呂屋の向かい側の電気屋は夕方六時頃には早々と店が仕舞われて、シャッターが降りたそのあとにはナショナル乾電池の自動販売機が男湯や女湯へ入っていく人たちを見ている。やがて12時近くに風呂屋も終わるとその界隈一帯はほぼ真っ暗になり、ひとり自動販売機のみが何かを待ち受ける。アンドレ・ブルトンは街でナジャに逢い、萩原朔太郎は路面電車のスパークに逢い、レイ・ブラッドベリはさなぎ男に逢い、稲垣足穂が落ちてきた星に、別役実がカンガルーにそれぞれ逢った或るもの、それが私には乾電池の自動販売機だった。……

 ところで、第1回未詳倶楽部を予期せぬ盛り上がりで終えた松岡事務所スタッフは、東京に戻るなり新宿区冨久町へと向かった。風呂あがりのセイゴオをかくまで興奮させた乾電池販売機の消息を訪ねずにはいられなかったのだ。
 驚いたことに、セイゴオが暮らしていた当時から四半世紀を経ているにもかかわらず、工作舎が入居していた番衆町のローヤルマンションも横田アパートも弁天湯も、その地に健在だった。しかも弁天湯の向かい側には、近年リニューアルされたと思しくも、それほど進化したとはとうてい見えないくだんの乾電池販売機が、灰色のシャッターを背にたたずんでいたのである。

   
C 自動販売機 72 のコピー.jpg


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Publishing 月刊「ランティエ」が『千夜千冊』全集を特集

2006年8月号「ランティエ」発売中

  『千夜千冊』全集(全7巻+特別巻)の出版を記念して、「ランティエ」が全集の特集記事を企画。今年2月からつづくセイゴオの連載コラム「にっぽんの忘れもの」を3ページに拡大し、独占インタビューが掲載されている(インタビュアーは尾崎裕雄編集長)。
  全集におさめた1144冊の本のセレクトや、膨大な量の本を相手にするセイゴオの読書法、また書籍化にあたってウェブの横書きの文章を縦書きの活字にしたことでセイゴオが「書き下ろし」に近いほど手をいれることになった背景などを語っている。どうぞお楽しみに。

    ランティエ_h250.jpg
2006年8月号 全国書店で発売中
 

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2006年6月23日

News 6月25日「新日曜美術館」にセイゴオが出演

「穢い絵だが生きている~大正画壇の鬼才・甲斐庄楠音」

甲斐庄楠音(かいのしょうただおと)は、大正時代に活躍した日本画家。描くテーマはほとんど「女」。日本画によく見られる「花鳥風月」は皆無に等しい。女を描き出すことに生涯をかけ、ようやくたどり着いた方法は「自ら女を演じる」という表現方法だった。表面的な世界で女を捉えるだけでは飽き足らず、楠音は身も心も女になりきった。

芸術の創造には、弱さ、曖昧さ、性の倒錯といった「フラジャイル」な感覚が欠かせないというセイゴオ。「新日曜美術館」では、楠音の生きざまや、作品の変遷、そしてその奥にある深い部分に切り込みます。お見逃しなく。

新日曜美術館
NHK教育: 毎週日曜 午前9時~10時 午後8時~9時(再)
NHKBShi: 毎週日曜 午後1時~2時
毎週土曜 午前11時~11時45分(再)

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2006年6月21日

Diary 「千夜千冊全集」の印刷現場

職人魂が支える前代未聞の出版プロジェクト

  青梅にある精興社本社で「千夜千冊全集」の印刷がいよいよ始まった。刷り出しには、求龍堂の鎌田恵理子さんと鹿山芳明さん、松岡正剛事務所の和泉佳奈子が立ち会った。精興社の小山成一さんほか熟練印刷職人の方々によって文字色やその濃度の確認が慎重に行われ、ようやく印刷開始のゴーサインが出ると、山のように積まれた本文用紙(オペラピンク)はみるみるうちに印刷機にかけられた。

  「千夜千冊全集」用に選ばれた印刷機は、単色印刷に適したドイツ製の「HEIDELBERG SPEEDMASTER」。1時間あたりA全サイズ10000枚の印刷が可能な性能をもつが、より慎重かつ丁寧にという精興社の配慮で、1時間あたりの印刷枚数を5000枚に半減してある。全集用A5判サイズでページ換算すると1分あたり約2700ページ。総ページ数約10500ページの「千夜千冊全集」は、約4分間印刷機をフル回転させて1セットが刷り上がることになる。この様子をつきっきりで見守る数人のオペレーターチームは、印刷のムラがないかを確認する「抜き取り検査」をおこない、気になるところを見つけては幅2メートル高さ2メートル奥行き7メートルほどの印刷機を相手に即座に対応していた。
 裁断前の刷りたての本文は、その日のうちにセイゴオのもとに届けられた。顔を近づけしばらく食い入るように紙面を見て「精興社の活字はやっぱり読みやすいね」。

  1913年(大正2年)創業の精興社は、美しさと読みやすさに定評がある「精興社書体」をもち、「漱石全集」はじめ数多くの全集をてがけてきた歴史のある印刷会社。その精興社にして「千夜千冊全集」ほどの作業量は前代未聞だという。
  第3稿になっても、精興社に戻ってくる千夜千冊のゲラはセイゴオの直しで真っ赤になっていた。すべての修正箇所を正確に反映させ、なおかつその作業をより速くするにはどうすればいいか? 精興社は全社をあげて考え抜いた。セイゴオの編集スピードを落とさないためにも「最短最速の仕上げ」は欠かせない条件だった。これまでの実績もやり方もすべて見直し、無駄を省いた作業手順を提案してはすぐに実践した。「精興社全体が千夜千冊のおかげで活気づいた」と小山さんは語る。実際、ゲラの戻りは終盤になるにつれてどんどん早くなり、セイゴオが「もう届いたの?」と驚くこともしばしば。
セイゴオが全身全霊を費やした「千夜千冊全集」は、精興社にとってもチャレンジングなプロジェクトとなった。今では260人の社員をかかえる精興社のあちらこちらで「千夜」「千夜」という声が聞こえるという。こうして10月には全7巻と特別巻(索引・年表)を同時に出版することができることになった。セイゴオはもちろんのこと、「千夜千冊全集」の関係者全員がその日を待ちわびている。

「千夜千冊全集」予約申込はコチラ⇒

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左:印刷のムラがないか確認中
中:「HEIDELBERG SPEEDMASTER」
右:「千夜千冊全集」初の一折

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2006年6月16日

Publishing 6月17日東京新聞でセイゴオが「ジャコメッティ展」を紹介

  神奈川県立近代美術館で開催中(6月3日から7月30日)の展覧会「アルベルト・ジャコメッティ-矢内原伊作とともに」を17日の東京新聞朝刊でセイゴオが紹介。
 セイゴオにとってジャコメッティは格別な存在である。千夜千冊第500夜という折り返し地点で選んだ本もジャコメッティの『エクリ』だった。ジャコメッティの彫塑や油絵のモデルとなった矢内原伊作のエピソードとともに、ジャコメッティが追った面影に思いを寄せるセイゴオ。記事の中で紹介されている作品写真は、今回の展示品のなかからセイゴオが選んだお勧めの3作品です。

  

  ジャコメッティはどのように知覚と表現のあいだの驚異的な孤独に耐えたのだろうか。ジャコメッティは書いている、「最初から失敗にきまっているものを追いかけるのは不条理に思われた。仕事を続けようとするかぎり、私にできることは記憶を再現すること、自分が本当に知っているものだけを作ることだ、と私は思った。十年間、私は再構成することしかしなかった」というふうに。
  こうも書いていた、「私が熱情をいだく唯一のことは、実現することが不可能に思われるこれらのヴィジョンに、それでも何とかして近づこうと試みることだ」というふうに。  
  ふと思うのは、ぼくが「終わりなき編集」を決意することになったのも、おそらくはこのジャコメッティのいう「実現することが不可能に思われるこれらのヴィジョン」を「再構成」するという仕事に追いこまれたためだったのではなかったかということである。何かのおりにジャコメッティを読むたびに、挫けたときにジャコメッティを見るたびに、ぼくはそんな気がしていた。

(千夜千冊第500夜 アルベルト・ジャコメッティ『エクリ』より)

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2006年6月14日

News 「連塾」第2期の準備、着々と(その2)

山口小夜子さん、とっておきのパフォーマンスを連塾で披露

 7月22日(土)に開催する連塾第2期「絆走祭」のテーマは「数寄になった人」。セイゴオのソロトークにくわえて7人のゲストが入れ替わり立ち替わり壇上に立ちトークやパフォーマンスを繰り広げる。明かりと演出は藤本晴美さん。
 その藤本さんとともにセイゴオは、遠州流宗家の小堀宗実さんに続き(詳細は「セイゴオちゃんねる」6月6日)、山口小夜子さんとも当日のパフォーマンスの委細段取りを打ち合わせた。

 赤坂ZEREに現れた小夜子さんは、ストレートの黒髪に白を基調としたエレガントかつちょっぴりパンクな装い。小夜子さんのパフォーマンスを支える気鋭のヴィヴィアン佐藤さんほか若手映像アーティストたちも一緒である。
 セイゴオが初めて出会ったころの小夜子さんは、すでに世界を舞台に活躍中のトップモデル。それから約30年、小夜子さんはさまざまなアーティストとのコラボレーションによって活動の幅を広げてきた。寺山修司の「天井桟敷」に参画し、天児牛大の「山海塾」や勅使河原三郎と共演し、鈴木清順監督の「ピストルオペラ」では女優もつとめた。一方、実験的なソロパフォーマンスにも精力的に取り組んできた。

 打ち合わせの場で、小夜子さんの最新パフォーマンスの映像を見たセイゴオは感嘆の声をあげた。「いままで見たこともないものを見せたい、つくりたい、表現したい」という小夜子さんの思いを連塾スタッフ一同が理解した。イメージとテクニカルについてのディスカッションが重ねられてようやく方針が決まった連塾のためのパフォーマンスの内容は、もちろん当日のお楽しみ。どうやら今回の小夜子さんのコラボレーションの相手は「本」と映像、そして小夜子さん自身になるもよう。「ここまでやってこれたのはセイゴオさんからたくさんのことを教わってきたから」と語る小夜子さんとセイゴオのトークも楽しみだ。

◆7月22日(土) 連塾第2期「絆走祭」第一講 12時半受付開始
  会場:中央区銀座・時事通信ホール
  出演者:松岡正剛・柳家花緑・内藤廣・山口小夜子・十文字美信
福原義春・小堀宗実・金子郁容

◆「連塾」へのお問い合わせ・参加申込み先
  電話:03-3587-9201 編集工学研究所内「連塾」事務局 担当:原淳子

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2006年6月13日

News 6月20日 松岡正剛の「デザイン特講」受講生募集中

6月20日(火)、セイゴオがデザインアソシエーション主催の本格的なデザイン講座「デザイン特講」で講師をつとめる。「デザインと編集はぼくにとってほとんど同じとってもいいほどの関心事」というセイゴオは、これまで数多くのデザイナーとコラボレーションし、またデザイナーを育ててきた。「生涯一編集者」をモットーとするセイゴオが、どのようにデザインと向き合ってきたのか、その独自の視点と方法論を2時間にわたって語る。
また、当日の講義内容はテレビ用に編集され、後日デザイン情報番組「Design Channel」(テレビ東京/毎週金曜日26:45~27:15)で放送される。

■「松岡正剛のデザイン特講」
日時:2006年6月20日(火)
開場:17:30
講演:18:00~20:00
場所:デザインアソシエーション事務局 地下収録スタジオ
    東京都港区南青山1-17-11
受講料:無料

■申込み方法
件名に必ず「松岡正剛氏デザイン特講申し込み」と記入し、
nanba@wakusei.comまでメールでお申し込みください。

■これまでの「デザイン特講」の講師陣
浅葉克己氏(アートディレクター)
安藤忠雄氏(建築家)
内田繁氏(インテリアデザイナー)
隈研吾(建築家)
小黒一三(ソトコト編集長)
斎藤和弘(VORGE NIPPON/GQ JAPAN編集長)
佐藤可士和(アートディレクター)
森田恭通氏(インテリアデザイナー)ほか多数。


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2006年6月 9日

News 松岡正剛・千夜千冊展のお知らせ

「千夜千冊第1期放埓篇」は柳田国男『海上の道』で締めくくられましたが、早くも「第2期遊蕩篇」が『海を渡る蝶』から始まりました。長らくお待たせしていた全集の刊行時期も、ようやく10月上旬と正式決定。

この全集出版を記念して、九段のアート&ブックギャラリー「册」で、「松岡正剛・千夜千冊展―只今、本族出張中。」を開催することになりました。

展覧会では、「千夜千冊」にちなんだ松岡の手わざや手すさびの数々を、本や工芸や和紙などに載せて披露します。また、期間中、2回のギャラリートークもあり、「千夜千冊」執筆のエピソードや、そこにひそませた世界観、そしてセイゴオ読書術のノウハウを語ります。

■本と遊ぶ■松岡正剛・千夜千冊展―只今、本族出張中。■

◇会期:2006年7月7日(金)~27日(木) 11時~19時
◇休廊日:7月10日(月)、18日(火)、24日(月)
◇会場:NIKIギャラリー册
     千代田区九段南2-1-17 パークマンション千鳥ケ淵1F
     東西線・半蔵門線・都営新宿線 九段下駅2番出口徒歩10分
      TEL:03-3221-4220 FAX:03-3221-4230
      http://www.satsu.jp/

◇特別出展:十文字美信・福原義春

◇レセプション・パーティ  7月7日(金) 17:00開演

◇いろはに・本塾 松岡正剛のギャラリートーク

 1. 「千夜千冊のナゾを語る」 7月8日(土)15:00開演 定員40名様(申込み順)

 2. 「セイゴオ読書術教えます」 7月13日(木)16:00開演 定員40名様(申込み順)

 *トークの問い合わせ・参加申込みは「NIKIギャラリー册」へ直接どうぞ。

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2006年6月 6日

News 「連塾」第2期の準備、着々と。

小堀宗実さんを訪ねて趣向を打ち合わせ
 
 7月22日(土)に連塾第2期「絆走祭」がスタートする。「連塾」は、中間法人「連志連衆會」が主催する松岡正剛の日本文化塾。2003年~2005年に全8回にわたって第1期が開催され、毎回、セイゴオはさまざまな映像を駆使して五時間ものソロトークを熱演、述べ350人が受講した。第2期は、セイゴオのソロトークはもちろんのこと、各界の第一線で活躍中の塾生たちが次々とゲストとして登場、トークやパフォーマンスを披露する。
 そのゲストの一人である、遠州流第十三世・小堀宗実さんとの打ち合わせのために、セイゴオと、連塾を演出する照明家の藤本晴美さんが、新宿若宮町の遠州流宗家を訪ねた。小堀さんは第1期連塾をほぼ全回出席し、今年から藤本さんとともに連志連衆會理事も務めている。
 袴姿に気さくな笑顔をたたえた家元に門の前で迎えられ、宗家お屋敷内の客間で冷茶をいただいたあと、さっそく連塾で使用する立礼卓とお道具を拝見することになった。
 立礼卓は小堀さんがデザインしたもので、普通のお宅でも使えるよう、小ぶりにつくったという。銘は「天籟」、その名の通り、漆黒のなかに銀片がちりばめられた意匠が見事だ。「これは宇宙をイメージしたんです」と語りながら、たちまち茶を点てて見せて、正客席のセイゴオに呈される。次客席の藤本さん、そして同行したスタッフたち4人の前にも、次々と初夏の和菓子とお茶が運ばれ、小堀さんが丁寧に茶碗ひとつひとつについて説明。「その茶碗は北欧のガラス器です。本来茶碗ではないんですが、見立ててみました」という説明に、一同「ほうっ」と声を上げる。こうして連塾当日のためのシミュレーション茶会をしつつの道具定めと打ち合わせが進んだ。

 「よろしければこちらもご覧ください」と、小堀さんが正客席うしろの障子を開け放つと、そこは遠州の忘筌の間(京都・孤篷庵)に模した大寄せの座敷。「忘筌」とは荘子の「魚を得て筌を忘れ、兎を得て蹄を忘る」から採った遠州の命名である。「荘子から採って、“忘筌”とは、さすがに遠州のすごさを感じますね」と語るセイゴオに、小堀さんもうれしそうに遠州好みの結構をことこまやかに解説。

 また特別にスタッフたちの“学習”のために、茶室「成趣庵」を案内していただくことになった。
 セイゴオは2001年にNHK「日曜美術館―小堀遠州の世界」に出演したときに、京都の金地院庭園や琵琶湖など遠州ゆかりの場所とともに、「成趣庵」を訪れている。番組のなかで十三世家元を襲名したばかりの小堀さんの正客となり、遠州の「きれいさび」をめぐって対談するシーンが収録された。
 番組では、この茶室は「暗きところなきよし」と言う遠州の好みが反映され、明かり取りが随所に配された明るい茶室であると紹介されていた。「“明るい”といっても現代人にとってはご覧のとおり、暗いんですよ。でも、中にずっといると眼が慣れてきます。そうするとやはりここは“明るい”と感じる。要は心の持ち方ですね」と小堀さんが眼をきらきらさせて語る。スタッフが家元じきじきの解説を聞く様子を、にじり口に腰掛けて見守っていたセイゴオからも「遠州流では簾を巻き上げるのはどのタイミングなんですか」と質問。「濃茶を飲んでいただいた後です。他流家では、それよりも早いタイミングで巻き上げて茶室を明るくするんですが、私はやはり、お茶を立てているあいだは無音で無明にすべきではないかと思うんです」。「なるほど、それでこそ松籟を聞く空間にふさわしいですね。」

 小堀さんが語るように、ようよう眼が慣れてくると、茶室内に貼りめぐらされた腰張の書の文字が際立ってくる。「この腰張は、遠州の書簡の反古を裏貼りにしたものです。ほら、ここに遠州の花押が見えるでしょ。」この腰張は、「成趣庵」を建てた宗実さんの父・宗慶さんの考案だという。はじめは書を表側に貼っていたのだが、しばらくしてから、それを裏貼りに直したそうだ。「そうしたら、その後、遠州の古文書が出てきましてね。調べてみたら、遠州も腰張は裏貼りにするのがよいとちゃんと書いてあったのです」。

 7月22日「連塾」では、小堀さんは福原義春さんを正客に迎え、壇上で点前を披露することになっている。セイゴオ・藤本さんが小堀さんとともに“企んだ”趣向と道具の数々は、ぜひ連塾当日、実際に会場でご覧いただきたい。


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小堀さんの立礼卓をじっくりと拝見。詳細は連塾をお楽しみに。

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成趣庵で記念撮影

◆7月22日(土) 連塾第2期「絆走祭」第一講 12時半受付開始
 会場:中央区銀座・時事通信ホール
 出演者:松岡正剛・柳家花緑・内藤廣・山口小夜子・十文字美信・福原義春・小堀宗実・金子郁容

◆「連塾」へのお問い合わせ・参加申込み先
 電話:03-3587-9201 編集工学研究所内「連塾」事務局 担当:原淳子

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2006年6月 3日

Diary 世界一小さな学校?

「世界一受けたい授業」を監修

 セイゴオは昨年から、日本テレビの人気番組「世界一受けたい授業」(毎週土曜日7時57分から放映)の監修者となっている。1ヶ月に一度、番組を統括する若手敏腕プロデューサーF氏と、制作会社のA氏が赤坂ZEREを訪れ、セイゴオから諸分野の先端的な研究者の情報や、さまざまな学問領域を番組化するためのコツを指南してもらう。ときにそれが、東西の歴史文化や、生命科学・宇宙物理をめぐるレクチャーになることもある。いわばこのディレクション会議は、セイゴオが携わっている“世界一小さな学校”でもあるのだ。

 F氏は「遊」時代からのセイゴオファン。インプレステレビの「セイゴオぶひん屋」もかかさず見ているという。もちろんセイゴオに、先生として出演してほしいという念願も持っているようだ。セイゴオはいまのところ番組出演の意志はないのだが、生き馬の目を抜くとも言われるテレビ業界で、やわらかなセンスとスピード感を発揮しているF氏の“学ぶ姿勢”に、兄貴分としての愛情を感じてもいるらしい。

 「学びというのは、盗み方なんだ。それがうまい人には何でもあげたくなるんだね」。

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2006年6月 2日

Diary 古典をとおして日本の美意識に触れる

連志連衆會第1回「椿座」開催

5月25日(木)、夕暮れどきから第1回「椿座」 “日本の古典をよむ”が開催されました。「椿座」は、セイゴオの日本文化特別講座「連塾」などを運営する中間法人「連志連衆會」の会員限定のサロン。

会場は銀座資生堂ビル9階のワードホール。吹き抜けの天井と高窓の開放的空間に、この日のテーマの「徒然草」にちなんだ「苺」と「竹」のデコレーションが飾られました。ステージにはセイゴオ直筆の「椿座」の書と、二輪の紫鉄線。

この室礼は「椿座」のマダムこと二期リゾート代表・北山ひとみさんによるものです。マダムの進行でサロンはゆるりとスタートしました。はじめに「椿座」座頭こと連志連衆會代表理事の福原義春さんの挨拶です。「この銀座資生堂ビルの地が資生堂発祥の地であり、私の本籍地なのです」。福原さんゆかりの地で「椿座」という文化サロンをスタートさせることの意義、それをセイゴオとともに深めていきたいと語り、マイクがセイゴオに渡されます。いよいよ“古典談義”のはじまりです。

取りあげたのは『枕草子』『方丈記』『風姿花伝』『五輪書』『茶の本』の五つの本。参加者にはそれぞれの本について綴った「千夜千冊」の全文が配布されました。なかでも『方丈記』は、実際に岩波文庫版が配られ、セイゴオの指名でリレー音読です。「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず・・・」。連志連衆會理事でもある小堀宗実さんも、ご指名をうけて落ちついた声で音読しました。途中にはさまれるセイゴオ流の解説とともに、文庫本約30ページの『方丈記』を堪能した後は、再び福原さんが登場し、「日本の心」をめぐって対談が続きます。(詳細は5月31日の「いとへん」参照)。

暮れなずむ銀座で古典を肌で感じ、耳で感じ、目で感じることで、忘れかけた日本のおもかげを呼び覚まされた第1回「椿座」。第2回のテーマは「日本の音楽」。北山マダムと福原座頭と松岡亭主は、今からその趣向を楽しくかわしているようです。

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