セイゴオちゃんねる

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2006年1月31日

Publishing 山口昌男氏と語る月知派の系譜

「知の自由人叢書」で特別対談

山口昌男氏監修「知の自由人叢書」の第2回配本・斉藤昌三『少雨荘書物随筆』に山口氏とセイゴオの対談「斉藤昌三と月の文化」が収録されている。斉藤昌三は大正~昭和の編集者であり、装幀プロデューサー。

『「敗者」の精神史』の著者である山口氏と『フラジャイル』『ルナティックス』の著者であるセイゴオが着目したのは、斉藤昌三の“月知”の精神。


松岡:斉藤昌三が『鏡花全集』について述べているくだりで、小村雪岱の絵はすばらしいけれども、選んだ題字が細すぎて合わないというようなことを書いている、ああいう目利きの部分が面白かったですね。

山口:松岡さんが自分の色彩のある『遊』という雑誌でメディアを作っていたということは、精神において斉藤昌三と極めて近いところがある。

松岡:どうも“月の知”の人は、「これ、実はこういうもので」という「じつは」とか、「大きい声では言えませんが」とか、「ですから番傘に包みました」「油紙のなかからどうぞお感じになってください」という手立てがある。

山口:個人で編集しているものに何か魅力があるのは、そこにある種の弱さがあって、その弱さによってかえって遠くに達することのできる細い糸だというところがあるんじゃないかな。

松岡:フラジャイルな知は、重なり合い寄せ合っている。斉藤昌三の知も、わかりやすく取り出すのではなく、われわれも一緒に捩れながら、かすかな紙縒をほそいて、一緒になって入っていく相手なんじゃないでしょうかね。

【書籍データ】
「知の自由人叢書」第2回配本
斉藤昌三『少雨荘書物随筆』
A5判上製函入、735ページ
国書刊行会2006年1月31日発行
定価 12000円

【千夜千冊】
第907夜 山口昌男『「敗者」の精神史』もご覧ください


投稿者 staff : 00:35

2006年1月30日

Diary 星降り龍の啼くセイゴオ誕生会

編んで編まれた「千夜千冊」の夜

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撮影:戸澤裕司氏 

1月28日夜、編集工学研究所と松岡事務所と編集学校有志がセイゴオ誕生会「千夜千冊虹龍開帳」を渋谷の天空ラウンジで開催。例年になくフォーマルなセッティングの誕生会に、司会の太田剛も、次から次へとスピーチに立つスタッフたちも緊張顔。それぞれの「千夜千冊」への思いが編みこまれた言葉の贈り物に、セイゴオも終始真剣に聞き入っていた。

誕生会タイトルの「虹龍開帳」は、「千夜千冊」が7巻に再編集され出版されることにちなむ。会場には『眼の劇場』の「内側の木蓮」にちなんだ3分咲きの白蓮と湯川秀樹ゆかりの本染めの法被が飾られ、米良美一の「月がとっても青いから」や北原白秋作詞の「さすらい」など、セイゴオ好みを組み合わせて入念に準備された音楽とプレゼントの数々が披露されていく。「1100books,1100nights」と描かれたブック型の特製ケーキの登場シーンでは、なぜかバースデイ・ソングではなくプレスリーとともに「ラブ・ミー・テンダー」の合唱。
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渋谷恭子がセイゴオの生い立ちに白秋・鏡花・雪岱・良寛を織り込んだ渾身の編集でメッセージを締めくくると、最後にセイゴオからもお返しのスピーチ。「社会や世間が何と言おうと僕が大事にしたいこと・やりたいことのために、君たちにも精神的に過重な日々を強いることになってきたと思う。でもこれからは君たちこそが千夜千冊を綴り、何かにしてくれるに違いないということを確信しました」。

セイゴオと仲間たちが新たに何事かを誓い合い、星降る夜の一座がほどかれると、会場に置かれた白蓮がすっかり花をほころばせ芳しい香りを漂わせていた。

投稿者 staff : 14:24

2006年1月27日

Diary 千夜千冊が1100冊を突破!

出版化作業もますます佳境に

千夜千冊は2004年7月7日に1000冊を達成したが、その後も更新をつづけ、ついに1月27日『型の日本文化』によって1100冊となった。これらはすべて、今年5月に刊行をめざす『千夜千冊全集』(全7巻)に収録される。

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十文字美信氏撮影。各巻ごとに手法の異なる口絵写真も撮影中。

全集各巻のタイトルは次のとおり。

第1巻 遠くからとどく声
第2巻 猫と量子が見ている
第3巻 脳と心の編集学校
第4巻 神の戦争・仏法の鬼
第5巻 日本イデオロギーの森
第6巻 茶碗とピアノと山水屏風
第7巻 男と女の資本主義

各巻の構成には、書物の“並び”だけで流れるような文脈をつくる、1冊あたりのページ数をほぼ同じくらいするという、セイゴオの職人編集的なこだわりがある。さらに、それぞれの千夜千冊にはウェブにはなかったヘッドラインがつけられた。

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また、この構成にもとづいて新たに千夜千冊を執筆しながら、セイゴオが連日連夜とりくんでいるのが原稿の手直しだ。すでに出版化に向けてタテ組の初稿ゲラになった「千夜千冊」は、ヨコ組だったウェブ「千夜千冊」以上の編集魂をかきたてるらしい。書き換えに近いほど手を加えた上で、加読性を高めリズムをつけるために句読点・改行を微細にうごかしていく。「見開き2ページの中の漢字の配分や画数まで気になる」のだという。「ウェブの千夜千冊が雑木林なら、書籍の千夜千冊は密林だ」。「千夜千冊」の彫琢の日々はまだまだ続く。

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取材中も赤ペンを放さないセイゴオ(カメラマンはAERAの戸澤さん)

投稿者 staff : 21:26