セイゴオちゃんねる

2017年5月26日


Report 空海賞受賞と記念講演



先にお伝えしましたように、セイゴオが「密教21フォーラム」が創設した「空海賞」の第一回大賞を受賞しました。5月25日に椿山荘で授賞式が開催され、合わせてセイゴオが2時間におよぶ記念講演を行いました。

「空海賞」は、空海の偉業に倣って学芸・学術・国際貢献・社会貢献・大師讃仰・寺院再興などの分野で業績をあげた個人または団体を顕彰するというもの。今回は大賞のほかに、学術奨励賞として蓮花寺佛教研究所が、国際貢献賞として全真言国際救援機構(ASIRA)が選ばれました。

授賞式では、はじめに密教21フォーラム会長の上村正剛氏から賞の目的などについて挨拶。続いて学術奨励賞・国際貢献賞がそれぞれ贈呈され、最後にセイゴオに大賞が贈られました。セイゴオの授賞理由について、密教21フォーラム事務局長の長澤弘隆氏からは、次のような話がありました。

「松岡さんが40歳のときに書かれた『空海の夢』は、古来多くの宗教者や思想家が関心を示さなかった難解な空海密教の内奥に、卓越した博識によって正面から果敢に迫ったもの。この一冊によって空海密教は真言宗の教理教学の枠を超え、近代仏教学の方法も超えて、世界思想のレベルに位置付けられました。私たちはこの名著により、空海密教を読み解くためには、広範な西洋の哲学・宗教・思想・諸科学に通じ、さらには昨今のデジタル技術文明までを理解すべきであり、生半可な仏教学や伝統教学だけでは空海密教には歯が立たないという現実を教えられました。松岡さんの著述を通して、空海密教の魅力が、社会のさまざまな分野で活躍する人びとの知性や方法に刺戟を与え、現代に蘇ったのです。私たちのフォーラムが今日まで歩んでこられたのも、一にかかって松岡さんの寛容な人柄と誰もが驚嘆する博識のおかげであり、私たちに常に真摯かつ謙虚に、またときにユーモアをもってかかわってくださった恩人に、第1回空海賞大賞を贈呈できることは、私たちにとって無上の歓びであります」。

トロフィーと花束と副賞の目録を上村氏から受け取ったセイゴオは、「空海賞第1回大賞という栄誉をいただき、晴れ上がましくもおこがましい気持ちでいっぱいです」と言いつつ、空海密教のみならず宗教そのものが明治維新や敗戦以降、語られにくくなってしまたっという問題について語りました。またセイゴオが空海に関心をもったのは、私淑していた湯川秀樹さんから聞いた「日本人で学びたいと思うのは三浦梅園と空海」という話がきっかけだったこと、そこから空海の方法を深く掘り下げてみたいという思いを抱き、40歳のときに春秋社から単著を依頼され、いよいよ取り組む決心をしたことなどを明かしました。

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その名も「正剛」である上村会長からトロフィーを受け取るセイゴオ

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学術奨励賞を受賞した蓮花寺佛教研究所の遠藤祐純氏と


授賞式後のセイゴオの記念講演のタイトルは、「再来『空海の夢』」。『空海の夢』の目次立てをスクリーンに映し、空海の方法と、その空海の方法を読み解いた40歳のころのセイゴオの方法、さらに現在のセイゴオの視点を重層的に行き来しながら、話を展開しました。とくに「第5章 言語の一族」に寄せては、コトダマの一族である大伴氏というルーツをもつ青年空海がどのようにして言語への関心を育んだか、また「第6章 遊山慕仙」に寄せては、当時のグローバル都市である奈良の都の喧噪を離れることによって、空海が何を会得したのかを語りました。さらに、「第7章 密教の独立」では空海が発見した密教の知を西洋の神秘主義と比較、「第8章 陰と陽」では空海が学んだ中国の漢訳仏教の特質を示し、そこから「第9章 仮名乞児の反逆」「第10章 方法叙説」「第14章 アルス・マグナ」に書かれたような空海の方法の総合化と充実について詳述しました。

セイゴオはまた、空海の「即身」はものすごいものだが、いまもって捉えがたく思っているということを明かしながら、『即身成仏義』の「重々帝網なるを即身となづく」に込められた空海の宇宙観や、『声字実相義』から読み取れる生命観を語りました。「第26章 華厳から密教へ出る」に記したように、空海が華厳を仏教の最高位に置きながらさらにそれを超えるものとして密教を位置付けたことについて、『空海の夢』では触れえなかったヒッグス粒子を持ち出しながら説明するなど、セイゴオのいまの知見も披露しました。

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会場は編集学校関係者や『空海の夢』に携わった編集者など100人以上が詰めかけ満員

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肺癌の術後、呼吸と声の復調を気にして講演を控えていたセイゴオだが、この日は前半から飛ばしっぱなしだった


最後に、「21世紀にこそ空海の提案は必要です。いま社会はIoT、AI、ビッグデータの時代です。モノに情報が付き、デジタルが知能をもち、膨大なデータがやりとりされるなかで、個人がマンダラ・ホロニックになる時代です。空海が構想したことは、半分くらいすでに現実化しつつあるし、六塵も五大もデータ化されつつあります。もはや宗教は追いつけないし、先生も必要ない時代になりつつあるのです。けれどもぼくは、いまこそ宗教をアクチュアルに語ることが重要になってくると思っています。いまのような日本でいいわけはありません。空海大賞を胸に、ぼくもまだまだ前に進んでいきたいと思っています。21世紀は空海の時代です」と、2時間にわたったハイスピードの講演を締めくくりました。

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授賞式と講演会に駆けつけてくれた歌人の岡野弘彦さんからは、「松岡さんの語りは、師の折口信夫を彷彿とさせてくれました」と言われ恐縮

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密教21フォーラムの皆さんと(セイゴオの右隣が、セイゴオとともに「蘇る空海」プロジェクトを仕掛けた事務局長の長澤弘隆氏)


投稿者 staff : 18:32

2017年5月11日


セイゴオ、空海大賞受賞(記念講演のお知らせ)



セイゴオが、「密教21フォーラム」が新しく創設した「空海賞」の第一回大賞を受賞することになりました。

「密教21フォーラム」は、1997年に設立された真言宗僧侶によるネットワーク組織。 空海密教の方法に学び、その意義をさまざまなメディアやイベントによって現代に蘇らせる活動をしています。「空海賞」は、空海の偉業に倣って学芸・学術・国際貢献・社会貢献・大師讃仰・寺院再興などの分野で業績をあげた個人または団体を顕彰するというもの。

セイゴオが1982年に工作舎を離れフリーランスになってから、最初に上梓した本が『空海の夢』(春秋社)でした。当時多くの新聞・雑誌などで取り上げられるなど話題になり、現在にいたるまで2回の増補改訂を重ねロングセラーとなっています。またセイゴオは、本書をきっかけに空海や密教に関する原稿や対談、講演などを折々行い、さまざまなアーティストと斬新な切り口で空海密教を語るトークイベントや、マルチメディアソフト制作などを「密教21フォーラム」とともに手掛けてきました。これらの活動が評価され、今回の空海大賞受賞となったようです。

5月25日には、授賞式が開催され、セイゴオが記念講演も行います。空海密教について、またセイゴオの活動についてご興味のある方は、授賞式および記念講演にご参加いただけます。


第一回「空海賞」贈呈式および記念講演

日時:2017年5月25日(木) 15:00~
場所:ホテル「椿山荘」東京 1F ウィステリアルーム
    (旧フォーシンズンズホテル「椿山荘」)

   https://hotel-chinzanso-tokyo.jp/access/


   15:00~ 贈呈式
          大賞 松岡正剛
          ほかに学術奨励賞、国際貢献賞、青年会顕彰賞の贈呈あり

   16:00~ 記念講演 松岡正剛 (120分の予定)

*参加ご希望の方は、松岡正剛事務所にお問い合わせください。
  電話番号:03-5301-2212 (担当・太田)


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投稿者 staff : 18:23

2017年4月 3日


News セイゴオ✕コムアイ対談「SWITCHインタビュー」



4月15日(土)の23:00からNHKで放映される「SWITCHインタビュー 達人達(たち)」に、セイゴオが出演します。

この番組は、異なる分野で活躍する2人の"達人"がそれぞれの「仕事の極意」について語り合い、発見し合うクロス×インタビューを行うもの。対談相手は、歌手のコムアイさん(水曜日のカンパネラ)です。

実は注目度が格段にあがる数年前から、水曜日のカンパネラさんの先鋭的なミュージックビデオ、不思議なユーモアに満ちた歌詞にセイゴオは注目していました。「戸川純が売れて以降、変わっているけど面白いという音楽をずっと探していた」。

2人の初対面は2015年に行われた舞台「影向」(出演:松岡正剛・田中泯・宮沢りえ・石原りん)をコムアイさんが観覧したときのこと。互いに気にしあっていた時期を経て、とうとうこの対談が実現しました。

73歳のセイゴオと24歳のコムアイさん。SWITCHインタビューのゲストの中では、かつてない年齢差のゲスト同士にもかかわらず、互いの仕事や死生観、恋愛観に大いに共鳴しあった二人。濃密なクロストークとなった本放送をぜひお楽しみに。

NHK Eテレ 「SWITCHインタビュー 達人達(たち)」
4月15日(土) 22:00~23:00
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対談前半は都内レコーディング・スタジオ、後半は編集工学研究所内ブックサロンスペース"本楼"で行われた。

詳しくはコチラ
「SWITCHインタビュー 達人達(たち) - NHK」
水曜日のカンパネラさんの公式サイトCINRA.NETにも取り上げられました。

投稿者 staff : 19:24 | コメント (0)

2017年3月11日


News 『多田富雄コレクション』発刊記念イベントに出演


4月21日(金)、18:30に開催される『多田富雄コレクション』(全5巻)発刊記念イベント「多田富雄の仕事 科学と芸術の統合」の第二部・対談セッションに、セイゴオが出演します。会場は浜離宮朝日ホールです。

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本イベントは、4月に藤原書店から刊行される『多田富雄コレクション』(全5巻)を記念して開催されるもの。「多田富雄を語る」と題し、JT生命誌研究館館長・理学博士である中村桂子さんと対談、司会進行を劇作家の笠井賢一氏が務めます。

多田富雄さんはセイゴオが敬愛する世界的免疫学者であり、能作者、詩人、随筆家。千夜千冊でとりあげた多田富雄『免疫の意味論』(986夜)では、多田さんのこれまでの対話(五木寛之、井上ひさし、白洲正子、石牟礼道子など)を複式夢幻能のような記述スタイルで綴り、「スーパーシステム論」に呼応しています。

対談相手の中村桂子さんは筑波の科学万博(1985年開催)以来の交友。2016年には千夜千冊で中村さんの著作を取り上げ、その生命論的世界観と編集力を絶賛しています。

―科学は狭い学問の部屋に閉じこもっていてはまずい。論文の引用回数を誇りあっていてばかりでは、いけない。桂子さんのような編集科学力にもっと包まれたほうがいい。 ―
千夜千冊『自己創出する生命ー普遍と個の物語』『ゲノムが語る生命ー新しい知の創出』(1618夜)より

第一部では司会進行を務める笠井氏の演出のもと、能楽師である野村四郎氏による多田富雄の新作能「無明の井」が上演されます。

『多田富雄コレクション』発刊記念イベントの全体概要はこちらをご覧ください。
【URL】
http://fujiwara-shoten.co.jp/main/news/archives/2017/03/421.php
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『多田富雄コレクション』(全5巻)発刊記
念イベント
「多田富雄の仕事―科学と芸術の統合」

[第1部] 多田富雄・詩と能の世界新作能「無明の井」より
詩「歌占」「新しい赦しの国」ほか
 野村四郎(能楽師、観世流シテ方、人間国宝) 坪井美香・國府田達也・松田弘之・設楽瞬山・橘政愛
 [構成・演出]笠井賢一

[第2部] 多田富雄を語る
〈対談〉
 中村桂子(JT生命誌研究館館長)
 松岡正剛(編集工学研究所所長)
  [司会進行]笠井賢一

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[日時] 2017年4月21日(金)
    18:30~20:30(開場18:00)
[会場] 浜離宮朝日ホール (小ホール)
 〒104-8011 東京都中央区築地5-3-2 朝日新聞東京本社・新館2階
[入場料] 3000円 (定員350名・全席自由・先着順)
[申込み・お問合せ] 株式会社 藤原書店
 Tel.03-5272-0301

投稿者 staff : 19:59 | コメント (0)

2016年11月 7日


News セイゴオが語る日本の月(NHK-BS)



11月12日(土)の19:30からNHK-BSで放映される「ザ・プレミアム―絶景にっぽん月の夜」に、セイゴオが出演します。

この番組は、こよなく月を愛してきた日本人の暮らしとこころを探りつつ、日本全国の月景色や月をめぐる風習を取材するとともに、"至高の月見"を映像で届けるというもの。女優の橋本まなみさんが案内役をつとめます。

セイゴオは橋本まなみさんに対する「月の指南役」として登場。『ルナティックス』を上梓するなど、"無類の月狂い"を自称するセイゴオが、日本の月の文化をはじめ、浮世絵や日本画に描かれた月の数々を紹介します。


NHK-BS ザ・プレミアム「絶景にっぽんの月の夜」
11月12日(土) 19:30~21:00

制作:テレビマンユニオン

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セイゴオと橋本さんの対談は、豪徳寺イシス館本楼で収録された。
右は演出の佐野達也さん(テレビマンユニオン)。

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収録は、豪徳寺イシス館の屋上でも行われた。高性能な天体望遠鏡が用意されたが、残念ながらこの夜は厚い雲がかかったままで月観測は叶わなかった。

投稿者 staff : 16:23