セイゴオちゃんねる

2017年9月19日


Publishing 新刊書下ろし『擬(もどき)』9月20日発売!



セイゴオのひさびさの書下ろしにして、ちょっと風変わりな新刊、『擬―「世」あるいは別様の可能性』が9月20日に刊行。

ちぐはぐやあべこべ、模倣や真似やフェイク、つじつまのあわないこと、公認されない仮説、はかなさやおぼつかなさ・・・。世界や社会の残念な事態や現象に目を注ぎ、心を寄せ、肩をもってきたセイゴオがついに明かす、「世」なるものの正体とは。

普遍性やグローバリズムはそんなによいことなのか。首尾一貫性や説明責任がそんなに大事なのか。「世」はマネジメントのためにあるのではない、イメージメントのことこそもっと語りたい。「言いおほせて何かある」の「何か」や、「きのふの空のありどころ」の「ありか」のことこそ交わしたい。世界と世間を覆う制度やルールの度し難い仕組みや価値観を鋭く暴きつつ、「擬」の意外な効用と「別様の可能性」を全力で浮かび上がらせる、ユニークかつ渾身の書です。

――ぼくが考えている「擬」という考え方は、ボードリヤールのシミュラークルではないし、従来にシステムに代わるアナザーシステムでもない。本物があって偽物があるのではなく、「ほんと」と「つもり」がまじった状態でしか世界や世間は捉えられないという見方だ。――(本書より)

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『擬―「世」あるいは別様の可能性』
春秋社 2017年9月20日刊行
1900円+税

投稿者 staff : 11:22

2017年8月28日


News 激動する世界と宗教―私たちの現在地―に出演(全3回)


角川財団主催のシンポジウム「激動する世界と宗教―私たちの現在地(全3回)」にセイゴオが連続登壇します。各回三部構成で、約四時間半のプログラム。冒頭は池上彰さんと佐藤優さんの対談、中盤は第一線の研究者や識者の発表、終盤のパネルディスカッションで全登壇者を相手に松岡が総括をします。第1回のテーマは「宗教と資本主義・国家」、第2回は「宗教と暴力」、第3回は「宗教と生命」。

セイゴオは、仏教、神社、キリスト教、イスラム教、新興宗教まであらゆる宗教や宗教史に関心をもち、また仕事を通じて各宗派の方々とも親交を深めてきた。シンポジウムではそれぞれのゲストの多様な視点を織り交ぜながら現代社会における宗教のあり方を探る。

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〔場 所〕:有楽町朝日ホール
千代田区有楽町2-5-1 有楽町マリオン11F

〔日 時〕::第2回 2017年9月23日 (土・祝)
13時~17時30分(開場12時)  ※予定

〔参加費〕:一般3000円 学生2500円(税込)

〔定 員〕:各回600名(申し込み先着順)

〔申込み〕: http://www.asahi-sympo.com/shuukyo/
申込受付開始:8月21日 (月)朝10時~

〔問合せ〕:宗教シンポジウム事務局  03-5565-3464
平日10時~17時/12月28日~1月4日を除く

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投稿者 staff : 13:06

2017年6月29日


Publishing ドミニク・チェンさんとの対談本『謎床』刊行



セイゴオとドミニク・チェンさんが情報の生態学からIT界の来し方・行く末まで、縦横無尽に語り合った対談本『謎床―思考が発酵する編集術』が7月10日に晶文社から刊行されます(書店には7月3日ごろから出る予定)。ドミニク・チェンさんは1981年生まれの若き情報学研究者であり、日本のクリエイティブ・コモンズの動向に創成期からかかわってきた実業家。セイゴオのことは『空海の夢』を読んで衝撃を受けて以来、ずっと注目してくださっていたとのこと。セイゴオもまた千夜千冊でドミニクさんの著書『インターネットを生命化するプロクロニズムの思想と実践』を取り上げ、ベイトソンの思想を取り込みながら相互編集型のインターネットのあり方を提唱するドミニクさんに関心を寄せてきました。

そんな二人が初めて顔を合わせたのが、昨年2016年の8月。晶文社の編集者、江坂祐輔さんのプロデュースによって、豪徳寺ISIS館の「本楼」で対談がスタートしました。80年代から情報技術と情報文化の融合をめざしてきたセイゴオと、デジタル・ネイティブ世代のドミニクさんは、ときに師弟のように、ときに同志のように、生命論からメディア・アートまで、日本文化論から人工知能問題まで、のべ十数時間にわたって思考と対話を加速し創発しつづけました。途中でセイゴオが肺癌を宣告され手術を受けることになったことをドミニクさんに明かすという異例の展開もありながら、最後にはドミニクさんが凝っている糠床や発酵システムにちなんだ本書のタイトル「謎床」が、二人のあいだで生み出されました。

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『謎床―思考が発酵する編集術』
ドミニク・チェン+松岡正剛
晶文社 2017年7月10日発行 1800円(税別)

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ドミニクさん・セイゴオの写真:川本聖哉さん

投稿者 staff : 17:38

2017年5月26日


Report 空海賞受賞と記念講演



先にお伝えしましたように、セイゴオが「密教21フォーラム」が創設した「空海賞」の第一回大賞を受賞しました。5月25日に椿山荘で授賞式が開催され、合わせてセイゴオが2時間におよぶ記念講演を行いました。

「空海賞」は、空海の偉業に倣って学芸・学術・国際貢献・社会貢献・大師讃仰・寺院再興などの分野で業績をあげた個人または団体を顕彰するというもの。今回は大賞のほかに、学術奨励賞として蓮花寺佛教研究所が、国際貢献賞として全真言国際救援機構(ASIRA)が選ばれました。

授賞式では、はじめに密教21フォーラム会長の上村正剛氏から賞の目的などについて挨拶。続いて学術奨励賞・国際貢献賞がそれぞれ贈呈され、最後にセイゴオに大賞が贈られました。セイゴオの授賞理由について、密教21フォーラム事務局長の長澤弘隆氏からは、次のような話がありました。

「松岡さんが40歳のときに書かれた『空海の夢』は、古来多くの宗教者や思想家が関心を示さなかった難解な空海密教の内奥に、卓越した博識によって正面から果敢に迫ったもの。この一冊によって空海密教は真言宗の教理教学の枠を超え、近代仏教学の方法も超えて、世界思想のレベルに位置付けられました。私たちはこの名著により、空海密教を読み解くためには、広範な西洋の哲学・宗教・思想・諸科学に通じ、さらには昨今のデジタル技術文明までを理解すべきであり、生半可な仏教学や伝統教学だけでは空海密教には歯が立たないという現実を教えられました。松岡さんの著述を通して、空海密教の魅力が、社会のさまざまな分野で活躍する人びとの知性や方法に刺戟を与え、現代に蘇ったのです。私たちのフォーラムが今日まで歩んでこられたのも、一にかかって松岡さんの寛容な人柄と誰もが驚嘆する博識のおかげであり、私たちに常に真摯かつ謙虚に、またときにユーモアをもってかかわってくださった恩人に、第1回空海賞大賞を贈呈できることは、私たちにとって無上の歓びであります」。

トロフィーと花束と副賞の目録を上村氏から受け取ったセイゴオは、「空海賞第1回大賞という栄誉をいただき、晴れ上がましくもおこがましい気持ちでいっぱいです」と言いつつ、空海密教のみならず宗教そのものが明治維新や敗戦以降、語られにくくなってしまたっという問題について語りました。またセイゴオが空海に関心をもったのは、私淑していた湯川秀樹さんから聞いた「日本人で学びたいと思うのは三浦梅園と空海」という話がきっかけだったこと、そこから空海の方法を深く掘り下げてみたいという思いを抱き、40歳のときに春秋社から単著を依頼され、いよいよ取り組む決心をしたことなどを明かしました。

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その名も「正剛」である上村会長からトロフィーを受け取るセイゴオ

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学術奨励賞を受賞した蓮花寺佛教研究所の遠藤祐純氏と


授賞式後のセイゴオの記念講演のタイトルは、「再来『空海の夢』」。『空海の夢』の目次立てをスクリーンに映し、空海の方法と、その空海の方法を読み解いた40歳のころのセイゴオの方法、さらに現在のセイゴオの視点を重層的に行き来しながら、話を展開しました。とくに「第5章 言語の一族」に寄せては、コトダマの一族である大伴氏というルーツをもつ青年空海がどのようにして言語への関心を育んだか、また「第6章 遊山慕仙」に寄せては、当時のグローバル都市である奈良の都の喧噪を離れることによって、空海が何を会得したのかを語りました。さらに、「第7章 密教の独立」では空海が発見した密教の知を西洋の神秘主義と比較、「第8章 陰と陽」では空海が学んだ中国の漢訳仏教の特質を示し、そこから「第9章 仮名乞児の反逆」「第10章 方法叙説」「第14章 アルス・マグナ」に書かれたような空海の方法の総合化と充実について詳述しました。

セイゴオはまた、空海の「即身」はものすごいものだが、いまもって捉えがたく思っているということを明かしながら、『即身成仏義』の「重々帝網なるを即身となづく」に込められた空海の宇宙観や、『声字実相義』から読み取れる生命観を語りました。「第26章 華厳から密教へ出る」に記したように、空海が華厳を仏教の最高位に置きながらさらにそれを超えるものとして密教を位置付けたことについて、『空海の夢』では触れえなかったヒッグス粒子を持ち出しながら説明するなど、セイゴオのいまの知見も披露しました。

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会場は編集学校関係者や『空海の夢』に携わった編集者など100人以上が詰めかけ満員

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肺癌の術後、呼吸と声の復調を気にして講演を控えていたセイゴオだが、この日は前半から飛ばしっぱなしだった


最後に、「21世紀にこそ空海の提案は必要です。いま社会はIoT、AI、ビッグデータの時代です。モノに情報が付き、デジタルが知能をもち、膨大なデータがやりとりされるなかで、個人がマンダラ・ホロニックになる時代です。空海が構想したことは、半分くらいすでに現実化しつつあるし、六塵も五大もデータ化されつつあります。もはや宗教は追いつけないし、先生も必要ない時代になりつつあるのです。けれどもぼくは、いまこそ宗教をアクチュアルに語ることが重要になってくると思っています。いまのような日本でいいわけはありません。空海大賞を胸に、ぼくもまだまだ前に進んでいきたいと思っています。21世紀は空海の時代です」と、2時間にわたったハイスピードの講演を締めくくりました。

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授賞式と講演会に駆けつけてくれた歌人の岡野弘彦さんからは、「松岡さんの語りは、師の折口信夫を彷彿とさせてくれました」と言われ恐縮

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密教21フォーラムの皆さんと(セイゴオの右隣が、セイゴオとともに「蘇る空海」プロジェクトを仕掛けた事務局長の長澤弘隆氏)


投稿者 staff : 18:32

2017年5月11日


セイゴオ、空海大賞受賞(記念講演のお知らせ)



セイゴオが、「密教21フォーラム」が新しく創設した「空海賞」の第一回大賞を受賞することになりました。

「密教21フォーラム」は、1997年に設立された真言宗僧侶によるネットワーク組織。 空海密教の方法に学び、その意義をさまざまなメディアやイベントによって現代に蘇らせる活動をしています。「空海賞」は、空海の偉業に倣って学芸・学術・国際貢献・社会貢献・大師讃仰・寺院再興などの分野で業績をあげた個人または団体を顕彰するというもの。

セイゴオが1982年に工作舎を離れフリーランスになってから、最初に上梓した本が『空海の夢』(春秋社)でした。当時多くの新聞・雑誌などで取り上げられるなど話題になり、現在にいたるまで2回の増補改訂を重ねロングセラーとなっています。またセイゴオは、本書をきっかけに空海や密教に関する原稿や対談、講演などを折々行い、さまざまなアーティストと斬新な切り口で空海密教を語るトークイベントや、マルチメディアソフト制作などを「密教21フォーラム」とともに手掛けてきました。これらの活動が評価され、今回の空海大賞受賞となったようです。

5月25日には、授賞式が開催され、セイゴオが記念講演も行います。空海密教について、またセイゴオの活動についてご興味のある方は、授賞式および記念講演にご参加いただけます。


第一回「空海賞」贈呈式および記念講演

日時:2017年5月25日(木) 15:00~
場所:ホテル「椿山荘」東京 1F ウィステリアルーム
    (旧フォーシンズンズホテル「椿山荘」)

   https://hotel-chinzanso-tokyo.jp/access/


   15:00~ 贈呈式
          大賞 松岡正剛
          ほかに学術奨励賞、国際貢献賞、青年会顕彰賞の贈呈あり

   16:00~ 記念講演 松岡正剛 (120分の予定)

*参加ご希望の方は、松岡正剛事務所にお問い合わせください。
  電話番号:03-5301-2212 (担当・太田)


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投稿者 staff : 18:23