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2006年09月27日[Edit School News]
色をかさね“玄氣”をおこす。
〜ISIS編集学校九州支所発足会レポート

 ISIS編集学校九州支所は、9月23〜24日、発足会を行った。松岡校長が命名した支所名は「九天玄氣組(きゅうてんげんきぐみ)」。当校では5つめの支所となる。

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(友泉亭大広間にて)


 発起人は中野由紀昌さん(15期守師範・離学衆)。会員は九州在住及び出身(両親のどちらかが九州出身でも可)の同門生、27名だ。中野さんは機会あるごとに集っていたメンバーに働きかけ、この春から設立の準備をすすめてきた。すでにABC青山ブックセンター福岡店の「松岡正剛・千夜千冊の九州展」をプランニングするなど、支所活動ははじまっている。

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「松岡校長への年賀状などをみんなで作って送りはじめたこと、これがきっかけでした」。

 当日は、松岡校長、関西支部「奇内花伝組」のメンバー、地元の未詳倶楽部会員、西日本新聞社の記者、阿蘇デザインセンターのディレクター、北九州に作品を点在させる建築家の方など、九州に縁ある人々が招かれた。発足会は、前夜の「松岡校長を囲む玄氣な縁会」をプロローグに、発足式と柳川への小旅行の、会全体としては2日2夜の日程で行われた。
 この日のため、組メンバーは、週末ごとにミーティングと下見を重ね、本棚企画・発足会とダブルで準備をすすめてきた。松岡校長はじめ、招かれた全員がその心づくしのもてなしをうけた。

■九天玄氣の由来〜すべての色がやってきて“玄”となろうとする
 発足式は、福岡城南地区にある元黒田家藩主の別邸「友泉亭」の大広間で行われた。
 中野組長が、発足のいきさつ、活動、抱負や展望を自らのおもいとともに語った。応える松岡校長は、組名に使った言葉の由来、そこに込めた心を伝えた。
 「碁盤の中央に天元を打つと周りに星が4つ、間を入れると8つあって全部で9つとなる。碁盤は九天に始まるんです。その碁盤と石の関係のように、編集とは、外からやってきた情報をいろいろ組み立てていくことです。古代九州は日本の母型ですが、そのかたちがどのようにできていったかといえば、碁石をつなげていった。そして“百済”と“倭”を分けた。さまざまな布石があって「倭国」ができてきたわけですよね。「日本」とか「九州」というものは、法律的に決められたものではなく、そういう“布石のエリア”みたいなものであるわけです。そういうものを“囲い込んで”、みんながそこに石を打ち込んでいくようなイメージが地域の活動には必要です。編集学校の九州支所として、そこに道教の「道(タオ)」を加えました。そのタオの持っている根本を“玄氣”といいます。もともと老子や荘子が一番重視したコンセプトは、中国の哲学が常に重視してきた「氣」で、もう一つは「玄」です。僕は「玄月」という俳号を自分でつけましたけど、絵で描くと、赤が最後に黒へ向うあたり、そのような月を玄月といいます。すべての色がやってきて、最後に黒になろうとするところが「玄」。そんなタオを、九州という地上に九天から落として、そこへ宇宙のような過密なアジアがもっていたコスモロジーを活かしてほしい」。

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「この“玄”は“雷”です。早く点を打つんです」。

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司会をつとめた丸山シズ枝さん(離学衆)

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爽やかに晴れた秋分の日、広間に面する池の涼、庭の緑が心地よい。新涼を感じるまでもうあと少し。


■九天を国見遊山〜編集あそび「急須で九州っチャ」
 お楽しみの編集ゲームは、発足式に相応しく九州の国に分かれて競う“国見ごっこ”となった。松岡校長を“正客”に見立て、用意された本や小物などでお国自慢を3つ仕立てて、献上する。また参加者は2チームづつ茶室に招かれ、九つの国から取り寄せられた山茶の振舞いを受け、そのお茶の印象、宗匠(上原美奈子さん)の語りを献上物のらしさとして加味するなどアトラクティブな趣向も盛りこまれた。考案者・田中弘師範代のナビのもと、ゲームは絶妙の間合いと連携ですすんでいった。

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ダンドリプロ、田中弘師範代(10期・弓なりネクタイ教室)。アシストは鈴木郁恵師範代(15期・ココ恋絡船教室)。

tanaka_0926_11.jpgお茶の宗匠は「ティーリテラシー」の肩書きをもつ上原美奈子さん(8期学衆)

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茶室の床には“ん(運)”のつく九州野菜。松岡:「“風俗”と書いて「風俗(くにぶり)」と読むといい。九つの国がそれぞれ“俗”で、その風俗が競い合うといった遊びでした。日本はもともと「国見」ということをしていた。高い山へ行って国見をし、国造りをした」。(友泉亭の茶室「章山庵」にて)

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9つの国の献上物を比べて、松岡校長の講評タイム。「“流れ着く”というような水平軸で動いてくるものと、上から降りてくるといったものの組み合わせは、「九天玄氣組」に込めたものになってますね」。

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夜の懇親会は、「にわか」遊びで無礼講(「博多々蔵」)。中州の隠れ家ふうのダイニングバー「HAKATA DINING」での夜噺では、曼珠沙華談義に松岡校長の錆声が加わる。初秋の夜長は瞬く間に更けていった。


■セイゴオの白秋・九天のセイゴオ〜下る柳川・上るうなぎ

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川下りを楽しむ。日差しはじりじりと肌をさすも、銀木犀が微かに香り、川べりには赤白の彼岸花が咲く。

 翌日は西鉄大牟田線の特急電車で有明へ向い45分、白秋の生地、水郷柳川を旅する。松岡校長とともに川くだりを遊び、柳川藩主立花家資料館を訪ね、「御花」で名物の鰻に舌鼓をうち、白秋の生家と記念館までそぞろ歩いた。白秋は「千夜千冊の九州」のテーマである「5つの幹」の一つだ。他の幹は福澤諭吉、柳田国男、三浦梅園、頭山満。


 ここでも白秋の故郷ならではのお題が出された。タイトルは「おさなごころの色紙ミメロギア」。10分間で水色の画用紙の上に26色の色紙でイメージをつくり、15秒でプレゼンする。柳川や白秋の、今回の発足会の印象、九天玄氣からの連想、校長、組長、会員に向けてのメッセージなどのテーマで、おもいおもいのミメロギアを発表した。

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折り紙、のり、はさみを手に…誰もがおさなごころに。

 会のオーラスは白秋記念館での松岡校長の特別講義。
 提示されたキーワードは3つ。壊れやすいものを大切にして、維持し続けてきた白秋の「フラジリティ」、雅なものと俗を分けなかった「雅俗不分離」、そしてオブジェの享楽快楽を含む「ノスタルジー」である。千夜千冊をテキストに、「松岡正剛の白秋」が流れるように語られていった。

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「御花庭園」の仙台松島を模したといわれる池を皆で眺める。手にする扇子は参加者への記念品。会員の分には名前と会発足にあたって詠んだ一句、その他の参加者の扇子には名前が筆書きされている。

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参加記念の扇子と会員プロフィール「十人十色帖」。手作り。

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前夜の「松岡校長を囲む玄氣な縁会」の様子。(左)博多の懐石料理店「根岸」。博多人形師の中村信喬さん、安川タクシー代表の安川哲史さんによる『博多祝い唄』を聴き、歌う。(右)二次会は未詳倶楽部会員の山本啓湖さんが経営するアイリッシュバー「ザ・ケルツ」にて。おいしいアイリッシュビールで再び乾杯。若き日のセイゴオ氏の映像も上映された。

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「千夜千冊の九州展」は、青山ブックセンター福岡店3Fブックフェアコーナーで、10月28日まで。一角には編集学校同門生の著書本も並んだ。右は「九天玄氣組」がプロデュースした商品の一つで「三夜三冊帯」(910円)。


千夜千冊1157夜 「九州水軍国家の興亡 」武光誠 もご覧ください。


〜九州支所のみなさん、「九天玄氣組」の発足、おめでとうございます!〜(いと・へん編集部)

(編集工学研究所 いと・へん編集長 田中晶子)

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コメント

15期守の新入塾生です。定年を三年後に控え、佐世保へ親の介護に帰る予定。東京を離れるつらさを、紛らしてくれそうな、九天玄氣組を見つけて希望を見出せそうな氣がしてます。とりあえずは、守を終えてから、次の段階ですが、次回は参加できれば、参加したいと思ってますのでよろしくお願いします。

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貨幣はいつのまにか近寄ってきたのだ。
では近寄った貨幣を、われわれは
真に所有したことはあるのだろうか。
そこにはわれわれの「生と死」が
絡んでいるのではないか。
おそらく、そうなのだ。だから貨幣には
怪しげな「死」の匂いが
漂っているわけなのだ。

第千三百七十夜【1370】 2010年7月4日

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