とことん夢中のその先に。7.19感門之盟レポート
〜〜その1 アッパレ卒門!〔守〕の16週間
2006年7月16日土曜日。ISIS編集学校 第14回「感門之盟」(かんもんのめい)が開催されました。開校以来、期が終るたびにずっと、大切に続けています。
集まった師範・師範代・学衆たちは、ネット上の教室で交わした稽古の余韻もさめやらず。でもリアルな対面は、卒業式にあたるこの日まで、大半が始めて。さらにこの日は校長・松岡正剛もナマで登場する。もう、ただのパーティーになるわけが、ありませぬ。
ところは東京港区白金台にある、東京都庭園美術館の大ホール。
アールデコのシャンデリアのもと、スポットライトに照らされながら、150人の参加者を前に舞台に立つ師範代たち。またとない「感門」の授受・交歓。その熱い表情を「言葉のスナップ」でお届けします。 (敬称略)


●司会:ISIS編集学校 師範 森 美樹
こんなに大きな会場で「感門之盟」ができるのは初めてですね。
みなさん、卒門、突破、退院、放伝、おめでとうございます。
やり遂げる人たちのドラマ。伝説。スターの誕生。ご一緒に楽しみましょう。

●ISIS編集学校 頭取:大川雅生
「変化」が起こるのが編集学校のいいところ。
今日も師範・森美樹さんによる司会が実現しました。応援よろしく!

●校長:松岡正剛
今日は、イッセイさんの奴凧みたいな衣裳です。初めて着てみました。
人生にはどこかに旬がある。そして、人生の旬は自分で選ぶ。
それをどう全うするかは、その人に与えられた宿命、希望、勇気。
その旬をなんとか突破することで新しいものが芽生えます。
私たちは時をかかえている。
時をまたぐ、時に挑む。時を超える。時を受け入れる。
時を感じるのが「感門之盟」。きょうはみんなで「時熟」を感じよう。
多いに気持ちを開いて楽しんで。感動、嗚咽、爆笑、大いに結構!
■師範から、師範代へ。校長から、師範へ。

●[守]学匠:富沢陽一郎
14期を「卒門」されたみなさん、おめでとうございます。今期は、師範代がそれぞれに個性的。教室にもさまざまに方法が溢れていた。また、面白いクセやナイーブで繊細なところもあった。でも、小さくまとまらなかった。それぞれ思い切って16週間を築いた。彼らのもとで学んだみなさんのこれからも、楽しみです。
━━ さあ、師範による担当師範代へ〈感門表〉授与の始まり、です━━━
「代表的25時教室」/師範代 岡本嗣典
今日と明日の境界にゆらめく青い炎は、16週間、絶えることがなかった。
岡本師範代の指南の妙は[部分と全体を見極める視点][丁寧で手厚い]。
25時はいつまでも自由へ向かう時間であって欲しい。
-------------師範 中野由紀昌

●岡本嗣典師範代「やりきれていない申し訳なさでいっぱい」
●松岡校長「もうひとこと、聞きたいね。」
●岡本師範代「本当の編集は、相手がいてやり取りの中で生まれてくると実感した」
●松岡校長「うん、この独特の関係に、呼び方をつけたいね。」
「文脈天狗教室」/師範代 森 敬典
「うーん、やられた。ひと皮むけた!」と、教室で学衆が指南に唸っていた。
「自惚れがひと皮むける編集稽古」という教室のモットーを、
これからもぜひ、大事に。
-------------師範 中野由紀昌

●森 敬典師範代「感門之盟の朝、洗面所で指輪が流れてしまった。大事なものが去って行く。新しいものに出会って行く。これからも精進したい。」
●松岡校長「その辺でいいよ(と、愛情を持ってあしらいながら)。
森クンへの〈先達文庫〉 は、僧侶の物語。この場面を、感じて欲しい。」
●松岡校長「中野師範は、ほんとうにだんだんきれいになるね。さて、師範代と師範の違いは?」
●中野師範「手取り足取りの師範代・全体と流れをみている師範。スターは師範代、師範は月。遠くから見守る。」
●松岡校長「では、中野師範にこれを贈ろうね。」と手渡した色紙には、まさに『玄月』!

「Bプロ総研教室」/師範代 高橋邦明
松岡校長が命名したこの奇妙な教室名を聞いた瞬間の困った顔!
しかし、自らの揺らぎを乗り越え、高橋師範代は闘魂指南に向かった。
6名の編集戦士の旅が、この愛すべき偉大な「虎の穴」から始まったことを祝します。
-------------師範 森美樹

●高橋邦明師範代「前田明が、『選ばれし者の恍惚と不安、ふたつあり』と語ったが、いま自分もうれしさとこわさを感じている。」
●松岡校長「柔らかい指南だったね。編集学校のようなものを、これからどう世の中に出して行くといいか、顔役になってほしい。」
「十五夜はねる教室」/師範代 田中さつき
稽古の合い言葉は、ひとはね、ふたはね、みはね。
勧学会の明かりが灯ると、月を肴に編集に酔える居心地のよいバーのよう。
こんな素敵な学び舎があったことを、忘れない。
-------------師範 森美樹

●田中さつき師範代「花伝所でもハナっから帰りたかった。でも無理だと思うと行っちゃう。新月の気分。あとは一途に進む。」
●松岡校長「さつきさんには少女の頃からの輝きが何度もおとづれている気がする。次々と、チャレンジを。」
「森羅一族教室」/師範代 高橋ゆか
産地直送、一族から、届くほっかほかの回答。
仔細を読み解く格別の指南はさらに温かく。
教室には、道産子の情熱が滲出していました。
-------------師範 平山智史

●高橋ゆか師範代「私が考えもつかなかった回答がたくさん。一番お稽古したのは私でした。」
●松岡校長「高橋さんに期待したいこと。朝、昼、夜のことば。言葉に、時間や方法をつくってほしい。」
「幻舞バジターン教室」/師範代 川上 弘
寡黙な美少年師範代を興味深げに覗きこむ学衆。
画期的!勧学会の賑わいは、800件を超えた。
のびのび回答に、やさしい指南のターンターン。
年月にも廃れない、幻舞に酔った記憶、記憶。
-------------師範 平山智史

●川上 弘師範代「14守随一のおしゃべりな教室でした。頭でわかっても出来ることとは違う、と学びました。」
●松岡校長「肌身に沁みて感じたね。ところで、両性具有ってどう思う? 両性具有性について、女性でここまで語れた人はいないんだよ。白洲正子を贈ります」
「風鈴斜塔教室」/師範代 大越康弘
斜塔の窓からの眺めは東西南北360度の絶景、皆ぞれぞれ、でした。
それが、いつの間にか舞台の上へ。そして風を熾し、鈴の音を鳴らしている。
颯爽と軽妙な指南が、教室を緩急自在に教室を揺らした。
-------------師範 小林佐和子

●大越康弘師範代「師範代は幸せ者。学匠、師範からの言葉もありがたかった。何より学衆のみなさんに感謝です」
●松岡校長「多様な学衆に応じていくのは大変だったろ。編集学校にも試合、ゲームがある。将棋の名人に学んでみる?『名人に香車をとらせる』を。」
「人間人形教室」/師範代 中村 万
指南の軸をゆるりとおろし、数多の方法をぐるりと見回し、
編集の型をするりと差し出して行く姿。
地味溢れる佇まい、安心感ある教室でした。
-------------師範 小林佐和子

●中村万師範代「人と人の関係を繋ぐ。あり得ないスピードで
関係が縮まっているのが教室。編集のなせる技であり、貴重な体験。ぜひこの会場にいる方も機会があればチャレンジしてほしい」
●松岡校長「また、住んでいる種子島から空を飛んで、来てね。先達本は『ライト兄弟に始まる』を。」

●小林師範「編集学校に携わっている間は、競馬はしない。馬は片手間にやるようなものではないんです。」
「あるすハイパー教室」/師範代 泉洋之
あなたは、回答に畳まれた様々な動向を、
解き、沸立たせて、編集の契機とし…
一身を以て学衆と稽古を共にし…編集魂を、伝えました!
-------------師範 斉藤伸子

●泉洋之師範代「編集学校で次へ進むたびに、日常でも何かを清算している気がします」
●松岡校長「もっと好きなこといっていいよ、と声をかけたことがあったね。人は一人ひとり違う。雪のようにね。中谷宇吉郎『雪』を贈ります」
「望気雲流教室」/師範代 山口桃志
教室の水面に、千変万化の情報の気流を映し、析出される編集蒸気の流れを集め、
気流に乗せて渦巻かせ、その有様を自在に象る雲の導く大気となりました。
4ヶ月の輝きを讃えます。
-------------師範 斉藤伸子

●山口桃志師範代「回答から伝わってくる、学衆さんひとりひとりの想い。いつの間にか、疑似恋愛のような親しい気持ちになっていました」
●松岡校長「卒門した学衆さんを4匹のあゆに見立てた帯だね。
手仕事、その中でクラシックとモダンをうまくあわせていくセンス、活かしてね」

●松岡校長「斉藤さんは、編集学校で大きく変わったね。人を輝かせようとしている。それが斉藤さんを変えていってる。」
「窯変みさき教室」/師範代 竹島陽子
春の芽生え、弥生の半ばに、みさきの門が開き、頭脳変窯の日々が始まった。
7名のみさき衆が文月9日門を潜った時、モニタのむこうに喜びの涙に嗚咽する
たけ師範代の姿が見えました。
-------------師範 稲本健治

●竹島陽子師範代「感謝状。稽古100日目に師範代のPCがダウンしたとき、なんや百物語みたいやな、と師範が脱力系の声がけをしてくださったこと、忘れません。」
●松岡校長「こんな道、自分には歩けない、と思っていても、ある時、また誰か道連れができて、歩けるときがくるんだね」
師範からのレイのプレゼントや、師範代から師範への感謝状も飛び出した、[守]感門。
ステージでは、ほかにも、黄天狗ブローチ、月と星のオーナメント、もらい泣き、校長とのハグ、
などなどが交わされました。
もうひとつ添えたい、響きあいたい。
そんな想いにあふれる時間やつながりが、「編集稽古の夢中」の先に、待っています。
(ISIS編集学校 佐々木千佳)