第四百二夜
チャールズ・ペレグリーノ『ダスト』
(9/10)

 ところで本書には、実は「3300万年周期の出来事」という問題が下敷きにつかわれている。
 これは、例の恐竜を絶滅させた隕石落下の出来事に深い関係がある「大量絶滅周期」とでもいうべきものだが、著者もこの仮説には並々ならぬ関心を寄せているようなので、このことについて一言ふれておく。言い出したのはオハイオのトレド大学の地球物理学者クレイグ・ハットフィールドとマーク・キャンプたちである。ぼくもめっぽう気にいっている。
 あまり知られていないが、わが太陽系は銀河系の重力中心の周囲を約2億年でまわっている。しかし太陽系の公転軌道は銀河平面と完全に合致しているのではなく、むしろ大きく傾斜している可能性がある。もしそうだとすると、太陽系はその公転周期の大半を銀河平面の外側に飛び出して過ごしていることになる。それでも太陽系が飛び出して宇宙にさまよわないでいられるのは、銀河重力のせいなのである。
 いずれにしても、この太陽系の傾斜運動と銀河重力との関係は、太陽系の運動を傾いたメリーゴーラウンドのようにいびつな運動にする。ということは、太陽系はときどき銀河平面を突っ切っていくというふうになっていることになる。地球上の生物たちに大量の絶滅をもたらすのは、ひょっとすると、この太陽系が銀河平面を突っ切るときの周期をもっているのではないかというのが、この仮説の主旨なのだ。

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